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NEWSCONの気になるNEWS(2025年4月第2週)
米国大統領が発表した新たな関税政策に対して、欧州各国の指導者は強く反発しています。特にフランスのマクロン大統領は「残酷で根拠がない」と批判し、フランスの産業界に米国への投資停止を提案しました。スペインのサンチェス首相は「保護主義的措置が国民の利益を損なう」と非難し、貿易戦争回避を訴えました。ドイツのショルツ首相やイタリアのメローニ首相も「根本的に間違っている」と述べ、交渉による解決を求めています。EUは報復関税を準備しつつ、協議による解決を模索していますが、米国側の強硬姿勢に欧州では懸念が広がっています。
▶ https://www.euronews.com/my-europe/2025/04/03/macron-lashes-out-against-trumps-brutal-tariffs-calls-for-a-pause-in-investment
中国は4月10日から全ての米国製品の輸入品に34%の関税を課すと発表しました。この関税は、米国の「相互」関税の税率と一致します。また、北京商務省はコンピューターチップや電気自動車のバッテリー等のハイテク製品に使用される材料であるレアアースに対する輸出規制を強化すると発表しました。更に貿易制裁や輸出規制の対象企業のリストに米国企業27社を追加すると発表しています。加えて、米国の鶏肉供給業者2社、デラウェア州のマウンテアファームズ社とコースタル・プロセシング社からの鶏肉の輸入を停止します。この報復関税は、大きな意味を持ちそうです。
▶ https://uk.finance.yahoo.com/news/china-imposes-34-tariff-imports-105642178.html
インドのタタグループは、英国サマセットに年間40GWhのバッテリーセルを生産する巨大工場を建設する計画を発表しました。このプロジェクトには40億ポンドが投じられ、2026年に稼働開始予定です。工場は4,000人の雇用を創出し、レンジローバーやジャガー向けに供給するほか、他メーカーやエネルギー貯蔵用途にも対応します。建物の規模を縮小することで環境負荷を軽減しつつ、計画の規模は維持されます。中韓以外の資本は欧州で全て成功していない為、この投資が成功するかは懐疑的な見方もあります。
▶ https://batteriesnews.com/new-plans-for-uks-biggest-ev-battery-plant-shared/
GSが原油価格予測を60ドル以下にまで下げました。景気後退リスクとOPEC+の供給増加を理由に2026年の原油価格予想を大幅に下げています。ブレント原油は1バレル58ドル、WTIは55ドルと予測。2025年の需要増加見込みも半減。同銀行は関税撤回が価格上昇を促す可能性がある一方で、政策不確実性や設備投資減少が経済に悪影響を与えると警告しています。これはウクライナの戦争やエネルギー問題を抱える欧州の経済にとっては朗報となっています。
▶ https://oilprice.com/Latest-Energy-News/World-News/Goldman-Sachs-Slashes-Oil-Price-Forecast-to-Below-60-in-2026.html
JPモルガンは2025年の世界景気後退リスクを40%から60%に引き上げました。最大のリスクは米国の貿易政策であり、関税が企業の信頼に影響を与え、世界経済の成長を鈍化させる恐れがあるとの懸念が広がっています。米国が10%の基本関税を導入し、中国が34%の報復関税で応じることで貿易戦争の懸念が高まっています。自動車業界では一時解雇や生産停止の影響が既に表れています。
▶ https://www.telegraph.co.uk/business/2025/04/05/trumps-tariffs-tip-america-into-recession-warns-jp-morgan/
米国が導入した高率関税にアジア諸国は衝撃と怒りを示しています。中国は34%の報復関税など対抗措置を発表しました。日本(24%)、韓国(25%)、台湾(32%)などの同盟国や、タイ(36%)、ベトナム(46%)、インドネシア(32%)にも高率関税が課され、東南アジアの輸出主導型発展モデルが危機に瀕しています。特にカンボジアとラオスは約50%の関税で大打撃の恐れがあります。経済学者は米国政府の関税計算方法に欠陥があると批判しています。
▶ https://www.asiafinancial.com/china-hits-back-with-34-tariffs-on-us-goods-se-asia-still-dizzy
欧州政策センターは、EVバッテリーに関する新たな報告書を発行しました。欧州は世界のリチウムイオン電池の僅か6.5%しか生産しておらず、中国の生産量に大きく遅れを取っています。European Battery Allianceなどのイニシアチブが開始されましたが、資金の断片化と高い生産コストが競争力を妨げています。また、ノースボルトの破綻は過度の拡張や輸入への依存といった体系的な問題を浮き彫りにし、欧州でのギガ工場の設立と運営がいかに困難かを示す例となりました。政策の分断、インフラの不備、輸入原材料への依存等、課題は山積みのまま残ったままです。中国以外ではこうした課題を克服する事が困難なのが現実と見られています。
▶ https://www.epc.eu/en/Publications/The-art-of-turning-the-corner-Towards-a-competitive-comeback-for-Euro~63b370
世界最大の銅鉱石の生産国であるチリは、今年銅価格が下がると予想を変えました。チリは2025年の銅価格予測を1ポンドあたり4.25ドルから3.90~4.00ドルに下方修正しました。この変更は貿易摩擦の激化等、複雑な要因によるものです。2025年4月初旬には銅価格が1トンあたり10,000ドルを下回り、9%急落しました。しかしコチルコは長期的に電化需要と鉱山の老朽化により、今後10年間で銅価格が1ポンドあたり4ドル以上で安定すると予測しています。銅輸出はチリGDPの12%、総輸出収入の48%を占め、価格変動は国家財政や地域経済に直接影響します。鉱業投資は長期的な価格予測に基づいて行われ、主要プロジェクトは進行する可能性がありますが、一部の拡張計画は調整されるかもしれません。中国のモリブデン等、戦略的鉱物の輸出制限が市場を複雑化させ、サプライチェーンや投資家心理に影響を与えています。
▶ https://discoveryalert.com.au/news/chile-copper-price-forecast-2025-market-analysis/#:~:text=Chile%2C%20the%20world’s%20largest%20copper,and%20escalating%20global%20trade%20tensions.
米国でもUS AIDによるNGOへの不透明な多額の政府資金流出が問題となり解体されましたが、欧州でも調べたら、同様でした。欧州会計検査院(ECA)が報告書を発行し、EU政府がNGOに毎年数十億ユーロを提供するプロセスに透明性が欠けると指摘し、改革を求めています。資金の使途やロビー活動への利用の可能性についての監視不足が指摘され、運用の確認の強化が必要とされています。ECAは2021?2023年にランダムに調査した74億ユーロ分の資金について、透明性要件の不備やNGOの定義の曖昧さを問題視しました。欧州委員会は改善努力を進めていますが、システム全体は依然として「不透明すぎる」と評価されています。この報告書は、保守派議員によるNGO批判を助長する一方で、NGO側からも透明性向上の必要性が認められています。NGOが議員と間接的に関係があるのは皆知るところですが、表向きの理由が正義なので、EUでは未だに蔓延っています。
▶ https://www.eca.europa.eu/en/publications/SR-2025-11
英国政府が遂にEV義務化を緩和しました。英国政府は自動車メーカーへの電気自動車(EV)義務化の要求を緩和し、米国の関税導入による影響を受けた業界を支援する措置を発表しました。罰金軽減や小規模メーカーの免除が含まれる一方、ガソリン車廃止期限は2030年のままですが、ハイブリッド車の販売は2035年まで可能になります。自動車業界はこの動きを歓迎するも、米国市場への輸出に依存する英国メーカーは、関税による競争力低下を懸念しており、更なる対策を求めています。昨年のEV販売は伸びたものの、義務化目標には届かず、個人購入者の割合も低い状況です。
▶ https://www.bbc.co.uk/news/articles/cj3xe7ppmn2o
中国商務省は米国による50%の追加関税に「断固反対する」と表明し、自国の権利を守るために対抗措置を取ると発表しました。米国内の中国人からも以前より同様の推測があり、中国政府は面子を重んじる為、米国の措置には屈しないと見られていました。トランプ大統領は、中国が米国製品への34%関税を撤回しない場合の追加関税を示唆しており、これに対抗して中国は米国からの輸入品全てに34%の関税を課すと発表しました。双方の関税合戦は貿易戦争の激化を示し、中国はさらなる報復措置を検討しています。この対立は米国の対中加重平均関税率を65%に押し上げ、中国経済に1.5~2%の悪影響を及ぼす可能性があると予測されています。この影響で、米国内でのLIBコストが急増すると見られています。
▶ https://www.cnbc.com/2025/04/08/china-resolutely-opposes-trumps-50percent-tariff-threat-vows-retaliation.html
EUも報復関税措置に踏み切りました。EUは米国による鉄鋼とアルミニウムへの関税(25%)に対抗し、幅広い米国製品に25%の報復関税を課す措置を採択しました。対象品目には農産物、タバコ、ヨットなどが含まれ、総額22億ユーロ規模。ハンガリーは反対票を投じたものの、大半の加盟国が支持しました。これらの関税は4月15日から段階的に施行されますが、交渉次第で、停止は可能です。
▶ https://www.euronews.com/my-europe/2025/04/09/eu-member-states-agree-first-wave-of-retaliatory-tariffs
米中間の貿易摩擦が更に激化しています。これにより、経済に影響が出ています。米政権は中国からの輸入品に対する関税を累計104%に引き上げ、これに対抗して中国は米国製品への関税を34%から84%に増加させると発表しました。中国政府はこの措置が自国の正当な権益を侵害すると非難し、世界貿易機関(WTO)に提訴しました。これらの関税引き上げは、両国間の報復措置の一環であり、4月9日と10日にそれぞれ施行されます。この対立は多国間貿易体制への影響も懸念されています。
▶ https://www.reuters.com/world/trump-tariffs-live-markets-selloff-us-reciprocal-tariffs-kick-2025-04-09/
貿易摩擦により、中国元の価値を維持する為、中国政府はドル調達を制限するよう動き始めています。中国人民銀行(PBOC)は人民元の急激な下落を防ぐ為、大手国有銀行に米ドル購入の縮小を指示しました。この措置は、米国による輸出品への関税が104%に引き上げられた事で人民元が下落圧力を受ける中で講じられました。国有銀行は市場でドルを売り、人民元を買うことで下落ペースを抑制。PBOCは通貨切り下げには頼らず、金融市場の安定と輸出競争力の維持を優先しています。また、補助金や税還付等で企業支援を強化する方針が示されています。
▶ https://www.aol.com/chinas-central-bank-calls-state-095633065.html
鉄鉱石価格が下落し、心理的障壁を超えた動きが見られます。中国のFe62鉄鉱石輸入価格は4月7日から8日にかけて5ドル/トン下落し、青島港着で96ドル/トンとなり、他の品位の鉄鉱石も同様に値下がりしました。市場では中国製鉄所がさらなる価格低下を予測して購入を控え、在庫が増加。これにより鉱山会社は値引きを余儀なくされています。更に米国の輸入保護措置が鉄鋼製品の輸出機会を悪化させる懸念も浮上しています。オーストラリア産業科学資源省は2025年までの価格下落を予測しており、ブラジル税関データも価格環境の悪化を裏付けています。
▶ https://gmk.center/en/news/ore-prices-overcome-psychological-barrier/
欧州では、電池によるリサイクル工場の火災が頻発し続けています。スコットランドのFenix バッテリーリサイクル社の工場で大規模な火災が発生しました。過去1年以内で2度目の「爆発」となりました。近隣住民は飛散するバッテリーによる窓破損等の被害を受け、警察と消防が対応中です。現在、6台の消防車が消火活動を行い、住民には窓やドアを閉じるよう指示されています。
▶ https://www.thescottishsun.co.uk/news/14615477/kilwinning-battery-plant-explodes-second-time-fire/
ウクライナの経済省はスクラップ金属輸出に対するゼロ割当導入を検討しており、これは少なくとも2025年末まで続く可能性があります。3月28日の経済政策委員会会合で暫定的なゼロ割当案が提案されました。ウクライナからEUに輸出されたスクラップ金属が第三国(特にトルコ)へ再輸出され、ウクライナ経済が利益を失っている問題が指摘されてきました。昨年のスクラップ輸出による損失は20億フリヴニャ以上と推定されています。経済貿易代表部副大臣のカチカ氏によると、EUを経由したスクラップの再輸出問題が解決されるまで、輸出のゼロ割当が実施される見込みです。間接的ですが、影響が出そうです。
▶ https://gmk.center/en/news/ministry-of-economy-considers-decision-on-quota-for-scrap-exports-kalenkov/
2025年3月の世界平均気温は産業革命以前より1.6℃高く、パリ協定の目標達成が危ぶまれる状況となっています。欧州連合のコペルニクス気候変動サービス(C3S)によれば、欧州の3月平均気温は2014年の記録を上回り、多くの地域で過去47年間にて最も乾燥した3月となり、一部の地域では最も雨の多い3月となりました。また北極の海氷面積も過去47年間で3月として最低を記録しました。科学者達は僅かな温暖化でも異常気象の激しさと頻度が増すと警告しています。2015年のパリ協定では約200ヵ国が気温上昇を1.5℃に抑える目標に合意しましたが、米国は1月に離脱を求める大統領令に署名し、世界的な気候変動対策に打撃を与えました。
▶ https://www.aljazeera.com/news/2025/4/8/record-global-temperatures-in-march-illustrate-threat-to-climate-goals
米中貿易戦争が激化する中、中国はEUとASEANとの関係強化を目指しています。中国商務省によると、王文濤商務大臣とEUのマロス・セフチョヴィッチ貿易委員はEVの価格交渉を開始し、自動車部門への投資について話し合うことで合意しました。更に米国向け中国製品の輸出転用に対するEUの懸念に関連する貿易摩擦に対処する為、二国間貿易救済対話の再開を支持しました。この議論は李強首相と欧州委員会のフォンデアライエン委員長の会談を受けて行われました。昨年のEVをめぐる紛争を受けて、中国とEUは、自動車輸入に関する「価格保証」メカニズムについて交渉を開始しましたが合意には至りませんでした。EUは中国製電気自動車への関税を45%まで引き上げています。余波は、世界全体にドミノ効果をもたらしています。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3305993/china-seeks-strengthen-eu-asean-ties-us-trade-war-escalates?module=top_story&pgtype=homepage
南アジアの輸入スクラップ市場は、インド、パキスタン、バングラデシュの買い手が価格の不一致、資金難、鉄鋼需要の低迷を理由に慎重姿勢を示しており、低調に推移しています。インドでは価格下落期待から買い手が様子見を続け、オファーに対するビッドは低いままです。パキスタン市場は活動が最小限で、電気料金値下げによる利益率改善があったものの、市場の勢いは鈍いままです。バングラデシュでは信用状問題が継続し、鉄筋販売が若干回復したにもかかわらず需要が限定的でした。トルコでは生産コスト上昇と米国市場の弱さを背景に製鉄所が購入に消極的となり、米国産HMS(80:20)は2ドル下落して378ドル/トン(CFR)と評価されています。
▶ https://www.bigmint.co/insights/detail/south-asia-imported-ferrous-scrap-market-remains-slow-further-today-636559
▶ https://www.euronews.com/my-europe/2025/04/03/macron-lashes-out-against-trumps-brutal-tariffs-calls-for-a-pause-in-investment
中国は4月10日から全ての米国製品の輸入品に34%の関税を課すと発表しました。この関税は、米国の「相互」関税の税率と一致します。また、北京商務省はコンピューターチップや電気自動車のバッテリー等のハイテク製品に使用される材料であるレアアースに対する輸出規制を強化すると発表しました。更に貿易制裁や輸出規制の対象企業のリストに米国企業27社を追加すると発表しています。加えて、米国の鶏肉供給業者2社、デラウェア州のマウンテアファームズ社とコースタル・プロセシング社からの鶏肉の輸入を停止します。この報復関税は、大きな意味を持ちそうです。
▶ https://uk.finance.yahoo.com/news/china-imposes-34-tariff-imports-105642178.html
インドのタタグループは、英国サマセットに年間40GWhのバッテリーセルを生産する巨大工場を建設する計画を発表しました。このプロジェクトには40億ポンドが投じられ、2026年に稼働開始予定です。工場は4,000人の雇用を創出し、レンジローバーやジャガー向けに供給するほか、他メーカーやエネルギー貯蔵用途にも対応します。建物の規模を縮小することで環境負荷を軽減しつつ、計画の規模は維持されます。中韓以外の資本は欧州で全て成功していない為、この投資が成功するかは懐疑的な見方もあります。
▶ https://batteriesnews.com/new-plans-for-uks-biggest-ev-battery-plant-shared/
GSが原油価格予測を60ドル以下にまで下げました。景気後退リスクとOPEC+の供給増加を理由に2026年の原油価格予想を大幅に下げています。ブレント原油は1バレル58ドル、WTIは55ドルと予測。2025年の需要増加見込みも半減。同銀行は関税撤回が価格上昇を促す可能性がある一方で、政策不確実性や設備投資減少が経済に悪影響を与えると警告しています。これはウクライナの戦争やエネルギー問題を抱える欧州の経済にとっては朗報となっています。
▶ https://oilprice.com/Latest-Energy-News/World-News/Goldman-Sachs-Slashes-Oil-Price-Forecast-to-Below-60-in-2026.html
JPモルガンは2025年の世界景気後退リスクを40%から60%に引き上げました。最大のリスクは米国の貿易政策であり、関税が企業の信頼に影響を与え、世界経済の成長を鈍化させる恐れがあるとの懸念が広がっています。米国が10%の基本関税を導入し、中国が34%の報復関税で応じることで貿易戦争の懸念が高まっています。自動車業界では一時解雇や生産停止の影響が既に表れています。
▶ https://www.telegraph.co.uk/business/2025/04/05/trumps-tariffs-tip-america-into-recession-warns-jp-morgan/
米国が導入した高率関税にアジア諸国は衝撃と怒りを示しています。中国は34%の報復関税など対抗措置を発表しました。日本(24%)、韓国(25%)、台湾(32%)などの同盟国や、タイ(36%)、ベトナム(46%)、インドネシア(32%)にも高率関税が課され、東南アジアの輸出主導型発展モデルが危機に瀕しています。特にカンボジアとラオスは約50%の関税で大打撃の恐れがあります。経済学者は米国政府の関税計算方法に欠陥があると批判しています。
▶ https://www.asiafinancial.com/china-hits-back-with-34-tariffs-on-us-goods-se-asia-still-dizzy
欧州政策センターは、EVバッテリーに関する新たな報告書を発行しました。欧州は世界のリチウムイオン電池の僅か6.5%しか生産しておらず、中国の生産量に大きく遅れを取っています。European Battery Allianceなどのイニシアチブが開始されましたが、資金の断片化と高い生産コストが競争力を妨げています。また、ノースボルトの破綻は過度の拡張や輸入への依存といった体系的な問題を浮き彫りにし、欧州でのギガ工場の設立と運営がいかに困難かを示す例となりました。政策の分断、インフラの不備、輸入原材料への依存等、課題は山積みのまま残ったままです。中国以外ではこうした課題を克服する事が困難なのが現実と見られています。
▶ https://www.epc.eu/en/Publications/The-art-of-turning-the-corner-Towards-a-competitive-comeback-for-Euro~63b370
世界最大の銅鉱石の生産国であるチリは、今年銅価格が下がると予想を変えました。チリは2025年の銅価格予測を1ポンドあたり4.25ドルから3.90~4.00ドルに下方修正しました。この変更は貿易摩擦の激化等、複雑な要因によるものです。2025年4月初旬には銅価格が1トンあたり10,000ドルを下回り、9%急落しました。しかしコチルコは長期的に電化需要と鉱山の老朽化により、今後10年間で銅価格が1ポンドあたり4ドル以上で安定すると予測しています。銅輸出はチリGDPの12%、総輸出収入の48%を占め、価格変動は国家財政や地域経済に直接影響します。鉱業投資は長期的な価格予測に基づいて行われ、主要プロジェクトは進行する可能性がありますが、一部の拡張計画は調整されるかもしれません。中国のモリブデン等、戦略的鉱物の輸出制限が市場を複雑化させ、サプライチェーンや投資家心理に影響を与えています。
▶ https://discoveryalert.com.au/news/chile-copper-price-forecast-2025-market-analysis/#:~:text=Chile%2C%20the%20world’s%20largest%20copper,and%20escalating%20global%20trade%20tensions.
米国でもUS AIDによるNGOへの不透明な多額の政府資金流出が問題となり解体されましたが、欧州でも調べたら、同様でした。欧州会計検査院(ECA)が報告書を発行し、EU政府がNGOに毎年数十億ユーロを提供するプロセスに透明性が欠けると指摘し、改革を求めています。資金の使途やロビー活動への利用の可能性についての監視不足が指摘され、運用の確認の強化が必要とされています。ECAは2021?2023年にランダムに調査した74億ユーロ分の資金について、透明性要件の不備やNGOの定義の曖昧さを問題視しました。欧州委員会は改善努力を進めていますが、システム全体は依然として「不透明すぎる」と評価されています。この報告書は、保守派議員によるNGO批判を助長する一方で、NGO側からも透明性向上の必要性が認められています。NGOが議員と間接的に関係があるのは皆知るところですが、表向きの理由が正義なので、EUでは未だに蔓延っています。
▶ https://www.eca.europa.eu/en/publications/SR-2025-11
英国政府が遂にEV義務化を緩和しました。英国政府は自動車メーカーへの電気自動車(EV)義務化の要求を緩和し、米国の関税導入による影響を受けた業界を支援する措置を発表しました。罰金軽減や小規模メーカーの免除が含まれる一方、ガソリン車廃止期限は2030年のままですが、ハイブリッド車の販売は2035年まで可能になります。自動車業界はこの動きを歓迎するも、米国市場への輸出に依存する英国メーカーは、関税による競争力低下を懸念しており、更なる対策を求めています。昨年のEV販売は伸びたものの、義務化目標には届かず、個人購入者の割合も低い状況です。
▶ https://www.bbc.co.uk/news/articles/cj3xe7ppmn2o
中国商務省は米国による50%の追加関税に「断固反対する」と表明し、自国の権利を守るために対抗措置を取ると発表しました。米国内の中国人からも以前より同様の推測があり、中国政府は面子を重んじる為、米国の措置には屈しないと見られていました。トランプ大統領は、中国が米国製品への34%関税を撤回しない場合の追加関税を示唆しており、これに対抗して中国は米国からの輸入品全てに34%の関税を課すと発表しました。双方の関税合戦は貿易戦争の激化を示し、中国はさらなる報復措置を検討しています。この対立は米国の対中加重平均関税率を65%に押し上げ、中国経済に1.5~2%の悪影響を及ぼす可能性があると予測されています。この影響で、米国内でのLIBコストが急増すると見られています。
▶ https://www.cnbc.com/2025/04/08/china-resolutely-opposes-trumps-50percent-tariff-threat-vows-retaliation.html
EUも報復関税措置に踏み切りました。EUは米国による鉄鋼とアルミニウムへの関税(25%)に対抗し、幅広い米国製品に25%の報復関税を課す措置を採択しました。対象品目には農産物、タバコ、ヨットなどが含まれ、総額22億ユーロ規模。ハンガリーは反対票を投じたものの、大半の加盟国が支持しました。これらの関税は4月15日から段階的に施行されますが、交渉次第で、停止は可能です。
▶ https://www.euronews.com/my-europe/2025/04/09/eu-member-states-agree-first-wave-of-retaliatory-tariffs
米中間の貿易摩擦が更に激化しています。これにより、経済に影響が出ています。米政権は中国からの輸入品に対する関税を累計104%に引き上げ、これに対抗して中国は米国製品への関税を34%から84%に増加させると発表しました。中国政府はこの措置が自国の正当な権益を侵害すると非難し、世界貿易機関(WTO)に提訴しました。これらの関税引き上げは、両国間の報復措置の一環であり、4月9日と10日にそれぞれ施行されます。この対立は多国間貿易体制への影響も懸念されています。
▶ https://www.reuters.com/world/trump-tariffs-live-markets-selloff-us-reciprocal-tariffs-kick-2025-04-09/
貿易摩擦により、中国元の価値を維持する為、中国政府はドル調達を制限するよう動き始めています。中国人民銀行(PBOC)は人民元の急激な下落を防ぐ為、大手国有銀行に米ドル購入の縮小を指示しました。この措置は、米国による輸出品への関税が104%に引き上げられた事で人民元が下落圧力を受ける中で講じられました。国有銀行は市場でドルを売り、人民元を買うことで下落ペースを抑制。PBOCは通貨切り下げには頼らず、金融市場の安定と輸出競争力の維持を優先しています。また、補助金や税還付等で企業支援を強化する方針が示されています。
▶ https://www.aol.com/chinas-central-bank-calls-state-095633065.html
鉄鉱石価格が下落し、心理的障壁を超えた動きが見られます。中国のFe62鉄鉱石輸入価格は4月7日から8日にかけて5ドル/トン下落し、青島港着で96ドル/トンとなり、他の品位の鉄鉱石も同様に値下がりしました。市場では中国製鉄所がさらなる価格低下を予測して購入を控え、在庫が増加。これにより鉱山会社は値引きを余儀なくされています。更に米国の輸入保護措置が鉄鋼製品の輸出機会を悪化させる懸念も浮上しています。オーストラリア産業科学資源省は2025年までの価格下落を予測しており、ブラジル税関データも価格環境の悪化を裏付けています。
▶ https://gmk.center/en/news/ore-prices-overcome-psychological-barrier/
欧州では、電池によるリサイクル工場の火災が頻発し続けています。スコットランドのFenix バッテリーリサイクル社の工場で大規模な火災が発生しました。過去1年以内で2度目の「爆発」となりました。近隣住民は飛散するバッテリーによる窓破損等の被害を受け、警察と消防が対応中です。現在、6台の消防車が消火活動を行い、住民には窓やドアを閉じるよう指示されています。
▶ https://www.thescottishsun.co.uk/news/14615477/kilwinning-battery-plant-explodes-second-time-fire/
ウクライナの経済省はスクラップ金属輸出に対するゼロ割当導入を検討しており、これは少なくとも2025年末まで続く可能性があります。3月28日の経済政策委員会会合で暫定的なゼロ割当案が提案されました。ウクライナからEUに輸出されたスクラップ金属が第三国(特にトルコ)へ再輸出され、ウクライナ経済が利益を失っている問題が指摘されてきました。昨年のスクラップ輸出による損失は20億フリヴニャ以上と推定されています。経済貿易代表部副大臣のカチカ氏によると、EUを経由したスクラップの再輸出問題が解決されるまで、輸出のゼロ割当が実施される見込みです。間接的ですが、影響が出そうです。
▶ https://gmk.center/en/news/ministry-of-economy-considers-decision-on-quota-for-scrap-exports-kalenkov/
2025年3月の世界平均気温は産業革命以前より1.6℃高く、パリ協定の目標達成が危ぶまれる状況となっています。欧州連合のコペルニクス気候変動サービス(C3S)によれば、欧州の3月平均気温は2014年の記録を上回り、多くの地域で過去47年間にて最も乾燥した3月となり、一部の地域では最も雨の多い3月となりました。また北極の海氷面積も過去47年間で3月として最低を記録しました。科学者達は僅かな温暖化でも異常気象の激しさと頻度が増すと警告しています。2015年のパリ協定では約200ヵ国が気温上昇を1.5℃に抑える目標に合意しましたが、米国は1月に離脱を求める大統領令に署名し、世界的な気候変動対策に打撃を与えました。
▶ https://www.aljazeera.com/news/2025/4/8/record-global-temperatures-in-march-illustrate-threat-to-climate-goals
米中貿易戦争が激化する中、中国はEUとASEANとの関係強化を目指しています。中国商務省によると、王文濤商務大臣とEUのマロス・セフチョヴィッチ貿易委員はEVの価格交渉を開始し、自動車部門への投資について話し合うことで合意しました。更に米国向け中国製品の輸出転用に対するEUの懸念に関連する貿易摩擦に対処する為、二国間貿易救済対話の再開を支持しました。この議論は李強首相と欧州委員会のフォンデアライエン委員長の会談を受けて行われました。昨年のEVをめぐる紛争を受けて、中国とEUは、自動車輸入に関する「価格保証」メカニズムについて交渉を開始しましたが合意には至りませんでした。EUは中国製電気自動車への関税を45%まで引き上げています。余波は、世界全体にドミノ効果をもたらしています。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3305993/china-seeks-strengthen-eu-asean-ties-us-trade-war-escalates?module=top_story&pgtype=homepage
南アジアの輸入スクラップ市場は、インド、パキスタン、バングラデシュの買い手が価格の不一致、資金難、鉄鋼需要の低迷を理由に慎重姿勢を示しており、低調に推移しています。インドでは価格下落期待から買い手が様子見を続け、オファーに対するビッドは低いままです。パキスタン市場は活動が最小限で、電気料金値下げによる利益率改善があったものの、市場の勢いは鈍いままです。バングラデシュでは信用状問題が継続し、鉄筋販売が若干回復したにもかかわらず需要が限定的でした。トルコでは生産コスト上昇と米国市場の弱さを背景に製鉄所が購入に消極的となり、米国産HMS(80:20)は2ドル下落して378ドル/トン(CFR)と評価されています。
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