NEWS

NEWSCONの気になるNEWS(2022年10月第2週)

全文は読めませんが、ドイツのPETリサイクラーの情勢がリサイクル専門サイトEUWIDに掲載されています。ガス供給の制限とエネルギー価格の高騰が足かせになり、PET樹脂のコンバーター業者は購入に消極的で、生産を停止する危機に直面しています。バージン PET が再び安価になり、コンバーター業者はより新品の樹脂に切り替えています。更に海外からの競争がドイツ市場に影響を与えており、PETフレークも低価格に反転している、という事です。rPTEは欧州の大手飲料メーカーが使用率を2030年までに30-50%するという野心的なコミットメントをしており、ここ数年で大きな投資を行ってきた分野で順調に推移していました。しかし、エネルギー危機により大きな影響を受け続けています。ドイツのガス貯蔵量は約 92%まで上昇していますが、現在の使用量が多く、ガス消費量を大幅に削減しなければ状況は非常に深刻になる可能性があるとの見解を当局が発信しています。
https://bit.ly/3fPuGoq

こちら⇒https://bit.ly/3SbGNuk で詳しく解説していますが、英国が北海の油田探査と開発に対する大量のライセンス(許可)を発行する事が決まり、実施に向かっています。英国の規制当局である北海移行局(NSTA)は7日、北海でベイスン(油田鉱床)である898ブロックとその他の部分ブロックを探査・開発する為のライセンスの申請を募集します。 ライセンスは100件以上が付与される予定です。脱炭素と化石燃料排除を積極的に進め、TCFDやCDP等の世界標準の中核を主導したきた英国ですが、エネルギーの独立性(Energy Independent)と海外輸入より自国生産の方がGHG排出が低いという理由で大きな転換をしています。脱炭素をけん引してきた欧州の事情が一変しています。
https://bit.ly/3RKKOov

米国の経済紙であるウォール・ストリート・ジャーナルが5日、ホワイトハウス(現政権)がベネズエラに対する一部の制裁を解除して、米石油大手のシェブロンがベネズエラでより多くの石油を生産できるようにすることを検討している、と報じました。先日のエジプトとカタールの和解でもあるように、世界の地政学がエネルギー確保とその影響の為に大きく変化している表れとなっています。米国の大手投資銀行のゴールドマンサックスは原油価格の見通しを上げています。既に欧州では鉄鋼、セメント、製錬等のエネルギー集約型の産業は打撃を受け続けており、直近での解決策も無い状態です。濃淡がありますが、しばらくは景気後退懸念の中でもエネルギー価格の高止まりが続くものと思われます。
https://bit.ly/3rF8iAI
https://reut.rs/3ylryH6

プロトタイプの段階ですが、英国で国の補助を受けたプロジェクトにより、使用済みのバッテリーセルの状態を確認し分類するシステムが完成した事が報告されています。英国Aceleron社が中心となって複数の企業により開発したもので、このプロジェクトは英国のINNOVATIVE UKから資金提供を受けています。システムの目的は全ての廃バッテリーをリサイクルするのではなく、まだ使用できるセル(容量が70%以上)を個別に選別して再利用し、リサイクルに回すものを極力減らし、本当に利用できない廃バッテリーと分けます。ロボット工学、ソフトウェア、自動化技術を組み合わせたシステムとなっており、バッテリーの製造に使用される原材料の不要な廃棄物を大幅に削減する可能性があります。このプロジェクトは英国Aceleron社、Innvotek Ltd社、MEV社、Brunel Innovation Center Cells社によって共同で行われています。
https://www.aceleronenergy.com/newsroom/prototype-sorting-second-life-cells-developed

国際民間航空機関(ICAO)の184ヶ国代表は2050年までにCO2排出量を正味ゼロにするという目標に合意した事が伝えられています。国際航空による排出量は個々の国に割り当てることが出来ない為、パリ協定に基づく国家公約ではカバーされず、代わりに国連機関である国際民間航空機関(ICAO)によって管理されています。ICAO加盟国は先週カナダのモントリオールで開催された会議で2050 年までに「二酸化炭素排出量を正味ゼロ」にするという目標を支持しました。バイオ燃料や技術開発の進展にもよりますが、しばらくは航空業界がよりカーボンクレジットに依存する事になる可能性がある事が懸念されています。
https://www.corporatejetinvestor.com/news/icao-adopts-net-zero-plan-for-2050/

欧州は深刻なエネルギー危機という事は何度も触れていますが、実は欧州のエネルギー市場では1.5兆ドルという膨大な流動性(確保)の危機が起きているというニュースです。エネルギー価格の上昇により、現在欧州のエネルギー取引では少なくとも1.5兆ドルの証拠金請求により深刻な緊張状態が起きており、政府に対してより多くの流動性バッファーを提供するよう圧力が掛かっています。エネルギーの激しい価格変動は、取引を保証するための資本を吸い上げています。エネルギー価格は非常に広範囲に変動しており、多くの企業がマージンコールの管理に苦労し、取引ポジションを保証するために追加の担保を要求する一方で、トレーダーは数十億ユーロのクレジットを確保する必要に迫られています。詳細は下記のリンクで説明されています。解消するためにはかなりの資金確保が必要となります。
https://oilprice.com/Energy/Energy-General/European-Energy-Market-Spooked-By-15-Trillion-Liquidity-Crisis.html

複数の専門メディアで報じられていますが、米国の電池リサイクル企業であるCirba Solutionsが、オハイオ州のリチウムイオン電池リサイクル工場を拡張する為に2億ドル(290億円)以上を投資する事を発表しています。この投資により、リサイクル・カソード材を6倍に増やし、同施設だけで年間 20 万台以上の EV車用のリサイクル電池材料を生産する事ができる、としています。今年9月、同社は米国のアリゾナ州にリチウムイオン電池のリサイクル施設を建設する計画を発表したばかりです。同社は2026年までに北米に7つのリサイクル工場を開設することを目指しています。
https://bit.ly/3RRRQYo

Euractivが「WEEE(電子機器廃棄物) プラスチックの循環経済に向けた課題」というタイトルで、プラスチックを含む電子機器廃棄物のリサイクルの課題解決に向けた欧州の動きを掲載しています。現在欧州ではWEEEはストックホルム条約、バーゼル条約、REACH及び POP規制、更にRoHS指令の対象となっており、国境を超える場合はEU域内でも煩雑な手続きが必要となっています。特にWEEEに使われるプラスチックのリサイクルは十分に行われておらず、また一部のWEEE自体が違法な方法でEU域外に輸出されてきました。 11月にはEU廃棄物輸送指令の改正方針が決められる予定ですが、現在の法案では、EU域内での取引手続きを緩和し、EU域外への輸出のハードルを高くするよう設定されています。2025年からはバーゼル条約の付属書IIにWEEEが入る事により、有害・無害に関係なくEUからの輸出入が原則禁止になる見込みです。
https://bit.ly/3eofQVu

S&P Globalが「中国の不動産業界に起きている嵐を乗り切る」というタイトルで記事を掲載しています。S&P Globalによると中国の不動産建設業者の約40%が財政難に苦しんでおり、債務を抱えた開発業者は銀行にとって大きな信用リスクとなっています。中国の不動産業界の不良債権比率は5.5%に上昇し、2022 年末まで横ばいと推測しています。中国の4大銀行は不良債権圧力に抵抗する準備が十分に出来ているようですが、地方銀行は経済減速に伴い圧力が増しています。中国政府による不動産暴落を回避する施策は今後も継続して行われる見込みと予測しています。
https://bit.ly/3CM1HL0

IMFが最新の2023年経済見通しを発表しており、各紙が取り上げています。11日に発表された予測では、2023年の世界経済成長見通しを下方修正し、状況は次の段階で大幅に悪化する可能性がある、と警告しています。世界の成長率は2021年の6.0%から2022年には3.2%、2023年には2.7%に減速すると予測されています。これは世界的な金融危機とパンデミックの急性期を除けば、2001年以来最も弱い成長率となります。英国の2023年の成長率はわずか0.3%まで急激に低下すると予測されており、ドイツはマイナス0.3%、イタリアはマイナス0.2%、日本は1.6%、アメリカも急落して0.3%、先進国全体で1.1%、アジアのエマージング諸国は4.9%、中国は4.4%、インドが6.1%となっています。
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2022/10/11/world-economic-outlook-october-2022

英国のプラスチックケミカルリサイクル技術開発会社で住友SHI FW社とも設備開発契約を結んでおり、9月中旬には最初のサーマルクラッカーの納入を予定していたRecycling Technologies社が9月末に清算手続きに入り、10月6日に管財人の管轄下に入った事が伝えられています。プラスチックのケミカルリサイクルは技術上の問題以上に事業採算性の問題が大きく、資金繰りをめぐる課題や問題が常に存在しています。現状ではPPやPETのようなプラスチックに絞った動きとなるケースがあり、宣伝されている程何でも出来るわけではないという事が徐々に明らかになってきています。技術中心では無く経済性やコスト上昇を注意深くレビューせずに拡大を図っている一部の欧州プラスチックケミカルリサイクル企業は、コストの課題に直面しています。
https://recyclingtechnologies.co.uk/

英国の新政権の気候大臣が北海での新規石油・ガスのフラッキングと掘削は環境に優しく、経済に良い、という旨の発言をして話題になっています。英国のグレアム・スチュアート気候大臣は、現時点での英国による石油とガスの生産は国際エネルギー機関が要求するペースより早く減少しており、新規の油田開発は、英国の雇用にも経済にも環境にも良い、と主張しました。大臣の主張は「石油とガスを国内で生産すれば海外から輸入するよりも、生産と輸送に関連する炭素排出量が半分しか発生せず、英国経済と環境の観点から国内生産は良いことである」としています。また「産油国の一部が(強権的で汚職のある)疑わしい政権であり、そこにお金を与えるのを止める」と述べています。ただ、この意見には国内外からの反発も起きています。実はこの意見は現在米国でもあからさまに主張されるようになっており、国内での生産を止め、ライフサイクルで圧倒的に炭素排出量の多い海外から石油やガスを輸入する現政権への批判の対象となっています。英国は脱炭素と化石燃料排除を先導してきただけに、地政学上の理由から(恥も外分もなく)いとも簡単に大きな転換をするあたりに・・・・・・これが国際政治という事のようです。
https://bit.ly/3SZSq7S

ドイツ政府は陸上風力発電を現在の倍近い容量に拡大する計画を進めています。しかし、本日公表された9月の入札結果は低調なものでした。容量1,320MW(メガワット)に対して実際に入札されたのは、58%に当たるわずか772 MWでした。エネルギー危機と政府の補助金政策の中でも低調な結果となっています。これは、プロジェクトに掛かるコストと環境アセスメントや許可までに掛かる長い時間により、良い投資回収計画を進める事が比較的難しくなっている事が主な要因のようです。
https://bit.ly/3rMoZu0
https://bit.ly/3Cp94GR

HSNWがロシア事業を売却する代表的な企業のリストを載せています。業種別に掲載されており、日本の日産自動車とソニーを除けば、ほぼ欧米企業となっています。ウクライナの紛争による制裁の為、ロシア政府は外国所有の資産を差し押さえる可能性があると発表しており、差し押さえられる前にロシアの資産を現地の管理者に売却する事に同意する方が良いという背景があるようです。
https://bit.ly/3yB3y2K

英国で廃タイヤの熱分解によるリサイクル技術を開発しているWF RECYCLE-TECH 社がドイツで開催される欧州最大のプラスチックとゴムの展示会であるK2022に最新の設備を展示する事を発表しています。同社は「廃タイヤ to タイヤ」を目指しています。今年5月にはポリマー加工・配合システムの研究、設計、製造のグローバル大手FARREL POMINI社と提携する事を発表しています。FARREL POMINI社はゴム混錬機や技術を開発するHF MIXING GROUPの子会社です。現在、来月に予定されている欧州廃棄物輸送規則(WSR)の改正方針について大きな議論が続いていますが、選別プラスチック(ゴム)も廃棄物としての対象になる可能性があり、タイヤリサイクル業界にとっても影響があると言われています。
https://bit.ly/3TjHf9W
https://bit.ly/3eqVhHR

Euractivが、独自に入手した欧州の再生可能エネルギー目標に関するEUの文章を確認し、内容を掲載しています。5月に欧州委員会はRE Power EU計画を発表し、2030年までに再生可能エネルギー比率を45%に引き上げる事を提案し、9月には欧州議会の再生可能エネルルギー指令の改正でも賛成票を得ています。しかしEuractivが入手した文章ではEU加盟国の意向により、6 月にEU諸国が合意した40%の目標に置き換えられるよう修正が入る見込みであると伝えています。修正では再生可能エネルギープロジェクトの許可により時間をかけられるように延長する事が含まれています。この延長により、期限までの達成率が下がる見込みとしています。現在、主要な地域での再生可能エネルギープロジェクトでは1年、その他の地域では許可までのプロセスが2年を超えないようにする必要がありますが、この両方が延長される見込みと報じられています。
https://bit.ly/3fSFvWz

AG Metal Minorが最新のニッケル市場の動向を掲載しています。インドネシアの好調な生産により、世界のニッケル供給は供給過剰に転じています。インドネシアの鉱山生産量は2022年の最初の7ヵ月間に前年比で41%増加しました。この急増により、同期間に世界の生産量が14%増加しました。供給過剰の市場は間違いなく弱気の原動力となります。ニッケル価格は、供給過剰だけでなく世界経済の減速による需要減により弱気となる見込みです。米ドルの強気基調も続き、ニッケルを含む工業用金属全体はやや弱気な基調である事も要因としています。ただしニッケルは単一の取引が市場価格に影響を与えるものもあり、ボラティリティはやや高いものが維持される見込みです。特に表にはあまり出ない軍需特需があり、ボラティリティにも影響します。
https://bit.ly/3ViyxdT

グリーンスチール製造を専門とするスウェーデンの新興企業H2 Green Steel が大規模なグリーン水素生産施設を開発する為にノルウェーのHydro Havrandと提携する事を発表しています。契約にはブラジルでの調査、北欧における調査、水素製造プラントの設計、システムの標準化と最適化の協力、水素の製造、貯蔵、安全な供給と運用、が含まれています。
https://bit.ly/3ThkYJU

NEWSCON Inc. TEL. 03-3528-6223

営業時間 09:00-18:00
(土日・祝日・年末年始を除きます。)

CONTACTお問合せフォーム