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NEWSCONの気になるNEWS(2025年3月第3週)
米国の保護主義政策がEUに影を落とす中、EUとカナダの関係は好転しています。米国による鉄鋼・アルミニウムへの25%関税に対し、両国は即座に非難と報復措置を表明。一方でカナダ国民のEUへの支持が高まっています。しかし米国の関税により、カナダの金属輸出がEUに向かう可能性があり、EUの産業に更なる打撃を与える懸念が強まっています。EUはこの影響に対処する計画を策定中ですが、カナダとの調整不足や米国の分断戦術により、逆に大西洋横断の貿易戦争に発展する可能性も指摘されています。
▶ https://www.euractiv.com/section/economy-jobs/news/why-the-eu-could-hang-canada-out-to-dry/
既に鉄鋼貿易関税戦争は始まっていますが、欧州の生産者団体もセーフガードを政府に訴えています。米国が鉄鋼輸入に25%の包括的関税を課したことで、欧州鉄鋼業界の厳しい状況が更に悪化しています。欧州鉄鋼協会(EUROFER)は、この措置が欧州の鉄鋼産業だけでなく、自動車、安全保障、エネルギーインフラ等、関連産業にも影響を及ぼし、欧州の主権を脅かすと警戒を強めています。EUROFERは米国の関税の影響を緩和し、業界の存続を保証する為、EUに対して効果的な鉄鋼セーフガード措置の見直しを求めています。
▶ https://www.eurofer.eu/press-releases/u-s-tariffs-threaten-european-steel-and-european-sovereignty-effective-eu-safeguards-are-needed-urges-eurofer
▶ ドイツの2024年に鉄スクラップの輸出量は前年比11%減の710万トンになる見込みです。これは2006年のデータ収集開始以来最低な数字です。輸出額も39億ユーロに減少する予想です。インド、イタリア、オランダ、トルコへの供給が大幅に減少しています。ドイツの鉄スクラップ協会BDSVとドイツ金属商社・加工業者協会(VDM)は、規制障壁の撤廃や高電気料金の問題に対処するよう政府に要請している。鉄鋼業界の電化の遅れにより、2024年にはスクラップ金属の需要が供給を上回りませんでした。https://gmk.center/en/news/germany-reduced-scrap-exports-to-a-record-low-in-2024/
使用済みタイヤの熱分解リサイクル計画が続いています。ドイツのPyrum Innovationsは、チェコ共和国で年間23,000トンの廃タイヤを処理する熱分解リサイクル工場を建設する計画を発表しました。2025年第2四半期に着工し、2027年完成予定です。このプロジェクトはチェコのSUASグループとの共同事業で、投資額は約5,700万ユーロ。工場はV?esov?に建設され、既存施設のインフラを活用し、熱分解で得られるガスを再利用します。この技術では、年間18,000トン以上のCO2削減が見込まれています。
▶ https://www.pyrum.net/en/
欧州委員会はエジプト、日本、ベトナムからの熱延コイル(HRC)輸入に対する反ダンピング調査の予備結果を発表しました。4月7日から、これら3カ国に6.9~33%の反ダンピングの暫定課税を課す提案が行われています。エジプトは15.6%、日本企業は最大33%、ベトナム企業は12.1%です。JFEスチールと大同特殊鋼には32%、日本製鉄とその他の企業には33%、東京製鐵は6.9%です。ベトナムについてはフォルモサ・ハティン鉄鋼株式会社とホア・ファット・ズン・クアット鉄鋼合弁会社を除く他の全ての企業に対して暫定関税が12.1%に設定されました。一方、インドからの輸入品にはダンピング提案が行われていません。最終調査結果は10月7日までに決定される予定です。昨年、上記対象の3カ国はEUにHRC 220万トンを輸出し、これは輸入総量の約25%に相当します。
▶ https://eurometal.net/eu-proposes-provisional-duties-on-hrc-imports-from-japan-egypt-and-vietnam-india-exempted/
世界最大のバッテリーメーカーCATLは2024年の年間売上高が9.7%減となり3620億元となりました。中国の年間売上高が減少し、中国EV市場での価格競争が影響しています。ただし、純利益は15%増加しました。CATLは香港証券取引所へのプレミア上場を予定しており、50億ドルの資金調達が見込まれています。米国防総省による「中国軍事企業」リスト掲載や懸念国規制が増す中、リスク低減の為、ハンガリーやスペインでの海外投資を推進しています。
▶ https://batteriesnews.com/chinese-battery-giant-catl-posts-annual-revenue-drop-ahead-of-hong-kong-listing/#google_vignette
コモディティとの相関性が高い原油価格の中期下落予測が出ています。ゴールドマン・サックスは米国の経済成長鈍化とOPEC+の供給増加予想を背景に原油価格予想を下げました。2025年12月のブレント原油価格予想を71ドルに修正し、中期的なリスクは下振れとしています。ただし、OPEC+が価格下落時に増加決定を覆す可能性があり、原油価格はOPEC+の動きに敏感に反応します。米国の政策が経済成長と原油に悪影響を与える可能性も指摘されています。アナリストらは2025年も原油市場の供給過剰状態が続いていると予想しており、これが価格見通しの主な懸念となっています。この見方は主要な商品取引会社や国際エネルギー機関の予測とも一致しています。
▶ https://oilprice.com/Latest-Energy-News/World-News/Goldman-Sachs-Cuts-Oil-Price-Outlook-Amid-Oversupply-Fears.html
世界最大のEV電池企業CATLは、リン酸鉄リチウム(LFP)電池に近づく第2世代のナトリウムイオン電池を開発中です。この技術は大規模導入でLFP電池よりもコスト優位性を持ち得るとされています。2021年に発表された第1世代のナトリウムイオン電池は、高エネルギー密度や急速充電機能を特徴としています。またCATLは同社製のShenxing とQilinモデルの電池の出荷シェアが2025年までにLFPとNCM電池の総出荷量の60%~70%を占める見込みを示しています。生産拠点の拡大も進めており、中国国内外で多くのプロジェクトを進行中です。CATLはデータセンターの電力ソリューションを成長市場と見ており、エネルギー貯蔵の需要を指摘しています。
▶ https://www.just-auto.com/news/catl-working-on-next-gen-sodium-ion-batteries/
世界最大のバイオマス発電所ドラックスが、内部告発した従業員に対して秘密保持契約に署名させて退職させようとしたことが、雇用裁判所で明らかになりました。ロワ・アフマール氏は、同社の環境への取り組みに対する懸念を訴えようとした際に、この対応を受けました。ドラックスはバイオマス発電所を運営しており、長年グリーンウォッシングの疑いで非難されてきました。同社は持続可能なバイオエネルギーを生産していると主張していますが、貴重な森林の木材を燃やしていることが問題視されています。また、環境人種差別の疑いも指摘されています。アフマール氏はBBCのドキュメンタリー放送後に同社の対応が混乱し、政府関係者への対応も不十分だったと指摘しました。彼女はCEOに手紙を書き、誤った情報提供の懸念を表明しましたが、その後は業績に対する攻撃を受け、最終的に解雇されました。ドラックスはアフマール氏の解雇が内部告発によるものではないと否定していますが、彼女の弁護士は秘密保持契約に署名させようとした対応を批判しています。英国政府は利権まみれの為、ドラックス社への補助金を2031年まで延長しましたが、額は半分に削減されました。
▶ https://novaramedia.com/2025/03/17/uks-biggest-renewable-power-station-sacked-employee-who-blew-whistle-on-environmental-claims/
3月19日に発表予定の欧州鉄鋼・金属計画の一部がリークされています。EUの鉄鋼・金属行動計画は、エネルギー価格の引き下げ、炭素国境関税の修正、貿易保護、鉛市場の活用に重点を置く予定です。この計画では電力購入契約(PPA)やクリーン電力の消費を促進する国家支援ツールの導入が提案されています。炭素国境課税(CBAM)については、EU製品の競争力の不利を是正する為の解決策が提案されます。更にアルミニウム生産者を守る為の貿易防衛手段の使用も予定されています。鉛は市場を通じて循環性とクリーンな金属の普及を促進する措置も含まれています。この政策は、米国の鉄鋼・金属への関税と相重なり、世界の金属貿易に大きな影響を与える事になります。
▶ https://www.euractiv.com/section/eet/news/drafts-of-eu-steel-plan-show-focus-on-energy-cbam-more/
欧州政府は、予定通り、鉄鋼・金属行動計画を発表しました。しかし具体的な支援内容の詳細は乏しく、計画は規制の修正、安価な輸入品への防御策、リード市場創設等を提案しているだけです。特にエネルギーコスト削減戦略は加盟国向けの拘束力のないガイダンスに依存しており、早くも実施の断片化や不履行の懸念が湧いています。新たな貿易保護措置は2026年6月までに実施予定で、炭素国境関税(CBAM)関連の競争力問題への解決策も提案される見込みです。業界団体ユーロファーは計画を「正しい方向」として歓迎しつつ、迅速な実行を求めています。一部からは「善意の提言の寄せ集めで実効性に欠ける」との批判も出ています。懸念された鉄スクラップの規制については「脱炭素鋼に不可欠な材料である金属スクラップに関する貿易措置を検討し、十分なスクラップの供給を確保する予定です」という内容で、具体的な詳細は明らかにしていません。
▶ https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/qanda_25_806
ドイツ議会は、伝統的な支出キャップを覆し、インフラと防衛に最大1兆ユーロを投じる大規模な支出計画を可決しました。これによりZEW研究所の投資家経済信頼感指数が3月に51.6に上昇し、2022年2月以来の高水準となりました。この計画は、長年のドイツの財政健全性からの逸脱を示しています。投資家や企業は、経済活性化への期待から、この提案を歓迎しています。ドイツ株式市場は過去最高値を更新し、防衛関連株も上昇しました。ユーロも4ヵ月振りの高値に迫るなど、市場全体にポジティブな影響が見られます。
▶ https://www.marketwatch.com/story/confidence-in-german-economy-surges-as-parliament-approves-huge-spending-plan-40a35bc0
欧州のスクラップ輸出制限について一般紙でも取り上げられるようになりました。EUの鉄鋼業界は、エネルギーコストの高騰や安価なアジア産金属の流入で打撃を受けています。業界はスクラップ金属の輸出制限を求めていますが、リサイクル業者はビジネスモデルを守りたいと抵抗しており、この状況が続いています。EUはクリーン・インダストリアル・ディールとしてリサイクルと再利用に重点を置く戦略を発表しましたが、スクラップ輸出制限には懐疑的な意見があり、今週発表された欧州鉄鋼・金属計画でも具体的なものはなく、今後、1年程度かけて規制案が導入されると考えられます。
▶ https://www.politico.eu/article/saving-industrial-waste-europe-plastic-belgium-metal-product/
米国環境保護庁(EPA)はHPで同庁の長官リー・ゼルディン氏がWSJに寄稿した独占論説記事についてわざわざ載せています。HPのタイトルは「EPAが『グリーン・ニューディール』を終了」となっており、かなりセンセーショナルな内容です。新政権下のEPAは環境規制の大幅な緩和を目指し、炭素排出、絶滅危惧種保護、自動車産業規制の見直しが含まれています。これらの措置が経済成長を促進し、製造業を活性化させ、エネルギー生産を増加させると主張しています。批判に対しては環境保護と経済的繁栄は両立可能であり、官僚主義ではなくパートナーシップを通じて目標を達成すると反論しています。新政権は、これらの政策変更がアメリカの繁栄に繋がると確信しています。実はこの傾向は世界的なものとなりつつあり、欧州でも似たような論調が日増しに出てきています。
▶ https://www.epa.gov/newsreleases/icymi-administrator-zeldin-wsj-epa-ends-green-new-deal
▶ https://www.euractiv.com/section/economy-jobs/news/why-the-eu-could-hang-canada-out-to-dry/
既に鉄鋼貿易関税戦争は始まっていますが、欧州の生産者団体もセーフガードを政府に訴えています。米国が鉄鋼輸入に25%の包括的関税を課したことで、欧州鉄鋼業界の厳しい状況が更に悪化しています。欧州鉄鋼協会(EUROFER)は、この措置が欧州の鉄鋼産業だけでなく、自動車、安全保障、エネルギーインフラ等、関連産業にも影響を及ぼし、欧州の主権を脅かすと警戒を強めています。EUROFERは米国の関税の影響を緩和し、業界の存続を保証する為、EUに対して効果的な鉄鋼セーフガード措置の見直しを求めています。
▶ https://www.eurofer.eu/press-releases/u-s-tariffs-threaten-european-steel-and-european-sovereignty-effective-eu-safeguards-are-needed-urges-eurofer
▶ ドイツの2024年に鉄スクラップの輸出量は前年比11%減の710万トンになる見込みです。これは2006年のデータ収集開始以来最低な数字です。輸出額も39億ユーロに減少する予想です。インド、イタリア、オランダ、トルコへの供給が大幅に減少しています。ドイツの鉄スクラップ協会BDSVとドイツ金属商社・加工業者協会(VDM)は、規制障壁の撤廃や高電気料金の問題に対処するよう政府に要請している。鉄鋼業界の電化の遅れにより、2024年にはスクラップ金属の需要が供給を上回りませんでした。https://gmk.center/en/news/germany-reduced-scrap-exports-to-a-record-low-in-2024/
使用済みタイヤの熱分解リサイクル計画が続いています。ドイツのPyrum Innovationsは、チェコ共和国で年間23,000トンの廃タイヤを処理する熱分解リサイクル工場を建設する計画を発表しました。2025年第2四半期に着工し、2027年完成予定です。このプロジェクトはチェコのSUASグループとの共同事業で、投資額は約5,700万ユーロ。工場はV?esov?に建設され、既存施設のインフラを活用し、熱分解で得られるガスを再利用します。この技術では、年間18,000トン以上のCO2削減が見込まれています。
▶ https://www.pyrum.net/en/
欧州委員会はエジプト、日本、ベトナムからの熱延コイル(HRC)輸入に対する反ダンピング調査の予備結果を発表しました。4月7日から、これら3カ国に6.9~33%の反ダンピングの暫定課税を課す提案が行われています。エジプトは15.6%、日本企業は最大33%、ベトナム企業は12.1%です。JFEスチールと大同特殊鋼には32%、日本製鉄とその他の企業には33%、東京製鐵は6.9%です。ベトナムについてはフォルモサ・ハティン鉄鋼株式会社とホア・ファット・ズン・クアット鉄鋼合弁会社を除く他の全ての企業に対して暫定関税が12.1%に設定されました。一方、インドからの輸入品にはダンピング提案が行われていません。最終調査結果は10月7日までに決定される予定です。昨年、上記対象の3カ国はEUにHRC 220万トンを輸出し、これは輸入総量の約25%に相当します。
▶ https://eurometal.net/eu-proposes-provisional-duties-on-hrc-imports-from-japan-egypt-and-vietnam-india-exempted/
世界最大のバッテリーメーカーCATLは2024年の年間売上高が9.7%減となり3620億元となりました。中国の年間売上高が減少し、中国EV市場での価格競争が影響しています。ただし、純利益は15%増加しました。CATLは香港証券取引所へのプレミア上場を予定しており、50億ドルの資金調達が見込まれています。米国防総省による「中国軍事企業」リスト掲載や懸念国規制が増す中、リスク低減の為、ハンガリーやスペインでの海外投資を推進しています。
▶ https://batteriesnews.com/chinese-battery-giant-catl-posts-annual-revenue-drop-ahead-of-hong-kong-listing/#google_vignette
コモディティとの相関性が高い原油価格の中期下落予測が出ています。ゴールドマン・サックスは米国の経済成長鈍化とOPEC+の供給増加予想を背景に原油価格予想を下げました。2025年12月のブレント原油価格予想を71ドルに修正し、中期的なリスクは下振れとしています。ただし、OPEC+が価格下落時に増加決定を覆す可能性があり、原油価格はOPEC+の動きに敏感に反応します。米国の政策が経済成長と原油に悪影響を与える可能性も指摘されています。アナリストらは2025年も原油市場の供給過剰状態が続いていると予想しており、これが価格見通しの主な懸念となっています。この見方は主要な商品取引会社や国際エネルギー機関の予測とも一致しています。
▶ https://oilprice.com/Latest-Energy-News/World-News/Goldman-Sachs-Cuts-Oil-Price-Outlook-Amid-Oversupply-Fears.html
世界最大のEV電池企業CATLは、リン酸鉄リチウム(LFP)電池に近づく第2世代のナトリウムイオン電池を開発中です。この技術は大規模導入でLFP電池よりもコスト優位性を持ち得るとされています。2021年に発表された第1世代のナトリウムイオン電池は、高エネルギー密度や急速充電機能を特徴としています。またCATLは同社製のShenxing とQilinモデルの電池の出荷シェアが2025年までにLFPとNCM電池の総出荷量の60%~70%を占める見込みを示しています。生産拠点の拡大も進めており、中国国内外で多くのプロジェクトを進行中です。CATLはデータセンターの電力ソリューションを成長市場と見ており、エネルギー貯蔵の需要を指摘しています。
▶ https://www.just-auto.com/news/catl-working-on-next-gen-sodium-ion-batteries/
世界最大のバイオマス発電所ドラックスが、内部告発した従業員に対して秘密保持契約に署名させて退職させようとしたことが、雇用裁判所で明らかになりました。ロワ・アフマール氏は、同社の環境への取り組みに対する懸念を訴えようとした際に、この対応を受けました。ドラックスはバイオマス発電所を運営しており、長年グリーンウォッシングの疑いで非難されてきました。同社は持続可能なバイオエネルギーを生産していると主張していますが、貴重な森林の木材を燃やしていることが問題視されています。また、環境人種差別の疑いも指摘されています。アフマール氏はBBCのドキュメンタリー放送後に同社の対応が混乱し、政府関係者への対応も不十分だったと指摘しました。彼女はCEOに手紙を書き、誤った情報提供の懸念を表明しましたが、その後は業績に対する攻撃を受け、最終的に解雇されました。ドラックスはアフマール氏の解雇が内部告発によるものではないと否定していますが、彼女の弁護士は秘密保持契約に署名させようとした対応を批判しています。英国政府は利権まみれの為、ドラックス社への補助金を2031年まで延長しましたが、額は半分に削減されました。
▶ https://novaramedia.com/2025/03/17/uks-biggest-renewable-power-station-sacked-employee-who-blew-whistle-on-environmental-claims/
3月19日に発表予定の欧州鉄鋼・金属計画の一部がリークされています。EUの鉄鋼・金属行動計画は、エネルギー価格の引き下げ、炭素国境関税の修正、貿易保護、鉛市場の活用に重点を置く予定です。この計画では電力購入契約(PPA)やクリーン電力の消費を促進する国家支援ツールの導入が提案されています。炭素国境課税(CBAM)については、EU製品の競争力の不利を是正する為の解決策が提案されます。更にアルミニウム生産者を守る為の貿易防衛手段の使用も予定されています。鉛は市場を通じて循環性とクリーンな金属の普及を促進する措置も含まれています。この政策は、米国の鉄鋼・金属への関税と相重なり、世界の金属貿易に大きな影響を与える事になります。
▶ https://www.euractiv.com/section/eet/news/drafts-of-eu-steel-plan-show-focus-on-energy-cbam-more/
欧州政府は、予定通り、鉄鋼・金属行動計画を発表しました。しかし具体的な支援内容の詳細は乏しく、計画は規制の修正、安価な輸入品への防御策、リード市場創設等を提案しているだけです。特にエネルギーコスト削減戦略は加盟国向けの拘束力のないガイダンスに依存しており、早くも実施の断片化や不履行の懸念が湧いています。新たな貿易保護措置は2026年6月までに実施予定で、炭素国境関税(CBAM)関連の競争力問題への解決策も提案される見込みです。業界団体ユーロファーは計画を「正しい方向」として歓迎しつつ、迅速な実行を求めています。一部からは「善意の提言の寄せ集めで実効性に欠ける」との批判も出ています。懸念された鉄スクラップの規制については「脱炭素鋼に不可欠な材料である金属スクラップに関する貿易措置を検討し、十分なスクラップの供給を確保する予定です」という内容で、具体的な詳細は明らかにしていません。
▶ https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/qanda_25_806
ドイツ議会は、伝統的な支出キャップを覆し、インフラと防衛に最大1兆ユーロを投じる大規模な支出計画を可決しました。これによりZEW研究所の投資家経済信頼感指数が3月に51.6に上昇し、2022年2月以来の高水準となりました。この計画は、長年のドイツの財政健全性からの逸脱を示しています。投資家や企業は、経済活性化への期待から、この提案を歓迎しています。ドイツ株式市場は過去最高値を更新し、防衛関連株も上昇しました。ユーロも4ヵ月振りの高値に迫るなど、市場全体にポジティブな影響が見られます。
▶ https://www.marketwatch.com/story/confidence-in-german-economy-surges-as-parliament-approves-huge-spending-plan-40a35bc0
欧州のスクラップ輸出制限について一般紙でも取り上げられるようになりました。EUの鉄鋼業界は、エネルギーコストの高騰や安価なアジア産金属の流入で打撃を受けています。業界はスクラップ金属の輸出制限を求めていますが、リサイクル業者はビジネスモデルを守りたいと抵抗しており、この状況が続いています。EUはクリーン・インダストリアル・ディールとしてリサイクルと再利用に重点を置く戦略を発表しましたが、スクラップ輸出制限には懐疑的な意見があり、今週発表された欧州鉄鋼・金属計画でも具体的なものはなく、今後、1年程度かけて規制案が導入されると考えられます。
▶ https://www.politico.eu/article/saving-industrial-waste-europe-plastic-belgium-metal-product/
米国環境保護庁(EPA)はHPで同庁の長官リー・ゼルディン氏がWSJに寄稿した独占論説記事についてわざわざ載せています。HPのタイトルは「EPAが『グリーン・ニューディール』を終了」となっており、かなりセンセーショナルな内容です。新政権下のEPAは環境規制の大幅な緩和を目指し、炭素排出、絶滅危惧種保護、自動車産業規制の見直しが含まれています。これらの措置が経済成長を促進し、製造業を活性化させ、エネルギー生産を増加させると主張しています。批判に対しては環境保護と経済的繁栄は両立可能であり、官僚主義ではなくパートナーシップを通じて目標を達成すると反論しています。新政権は、これらの政策変更がアメリカの繁栄に繋がると確信しています。実はこの傾向は世界的なものとなりつつあり、欧州でも似たような論調が日増しに出てきています。
▶ https://www.epa.gov/newsreleases/icymi-administrator-zeldin-wsj-epa-ends-green-new-deal