NEWS
NEWSCONの気になるNEWS(2025年3月第2週)
ドイツの鉄鋼を主体とする産業複合企業ティッセンクルップは、自動車技術部門で約1,800人の人員削減を計画しました。この計画では1億5000万ユーロ以上のコスト削減を目指し、投資調整や雇用凍結も含まれます。これは欧州だけでなく、世界の自動車産業の見通しが弱まっている為です。しかし、新技術と将来の成長への投資は継続すると述べています。昨年11月には鉄鋼部門でも1万1000人の人員削減を発表しており、ドイツの自動車産業全体が需要低迷やエネルギー価格高騰、競争激化等の課題に直面し、復活の兆しが見えてきません。ドイツは科学分野でも問題を抱えており、BASFの社長は「欧州のアンモニア生産に将来はない」と発言し物議を醸しています。
▶ https://www.reuters.com/markets/commodities/thyssenkrupp-cut-1800-jobs-automotive-weakness-2025-03-06/
韓国の研究者らが開発した先進的なニッケルリッチカソードを用いた全固体電池は、300サイクル後も初期容量の80.2%を維持する画期的な性能を示しました。この新設計のカソードは、表面と構造を最適化し、柱状設計を特徴としており、粒子の剥離を大幅に減少させ全体的な安定性を向上させました。ニッケル含有量80%のカソードでは表面劣化に問題があり、85%以上では粒子の分離や剥離が課題でした。しかし、これらの問題に対処することで、高性能で長寿命、より安全な全固体電池の実現に向けた大きな進展となりました。
▶ https://interestingengineering.com/energy/solid-state-battery-issue
中国の1~2月期の貿易統計によると、輸入が予想外に8.4%減少し、輸出も2.3%増にとどまり鈍化しました。輸入が減るというのは、経済原則の典型的なパターンです。この背景には米国との新たな貿易摩擦への懸念があります。米国は中国製品に10%の追加関税を課し、中国も報復措置を取りました。アナリストは中国が主要商品の購入を縮小し始めたと指摘しています。中国政府は消費と国内需要の拡大を優先する方針ですが、李強首相は現状を「不十分」と評価し、成長モデルの再構築の緊急性を強調しました。
▶ https://www.fxstreet.com/news/china-exports-slowed-more-than-expected-in-january-february-uob-group-202503070922
国連環境計画が以下の内容の「気候緊急事態」を掲載しました。気候緊急事態が深刻化し、世界の平均気温は1.1~1.2°C上昇しました。パリ協定の目標達成には、2030年迄に温室効果ガス排出量を半減し、2050年迄に実質ゼロにする必要があります。アフリカは排出量が少ないにも関わらず、気候変動の影響に最も脆弱で、適応コストが年間527億ドルに達すると予測されています。国連環境計画は科学的研究の提供、セクター横断的な取組支援、公正な移行の確保、資金メカニズムの提供を通じて気候危機に対応しています。気候危機を解決する方法はわかっていますが、私たちが共に課題に立ち向かい、機会を受け入れなければ解決は不可能です。
▶ https://www.unep.org/climate-emergency
バーゼル条約の変更に強い影響力を持つ、国際汚染物質除去ネットワークである「ジュネーブ環境ネットワーク」がバーチャルイベントを開催します。今回のベントでは、ごみ固形燃料(RDF)と繊維廃棄物という2つの廃棄物の国際流通に焦点があてられ、これらのプラスチック廃棄物の輸出に対して、バーゼル条約を準拠させる方法を明らかにすると強調しています。今年のバーゼル条約、ロッテルダム条約、ストックホルム条約の締約国会議は、4月28日から5月9日までジュネーブで開催される予定です。今回のバーチャルイベントは、この締約国会議に先立って行われるものです。2020年~のプラスチック廃棄物規制、2025年~のWEEE規制、今後は2030年規制に向け動きだす事になりそうです。
▶ https://www.genevaenvironmentnetwork.org/events/the-hidden-plastic-waste-exports-the-case-for-basel-convention-controls-on-rdf-and-textiles/
中国の保護主義政策により、戦略的鉱物の価格が急騰し、サプライチェーンが混乱しています。 アンチモンは昨年の中国の輸出制限以降、価格が中国で21.8%、ロッテルダムで32.85%上昇しました。 ビスマスも関税引き上げを受けた輸出制限で価格が急騰し、中国が世界生産の80%を占める中、供給逼迫が続いています。 また、コンゴ民主共和国のコバルト輸出停止により、電池材料として重要なコバルトも価格が48.5%上昇しました。 これらの鉱物は米中間の貿易戦争や需要増加で更に高騰する可能性があります。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3301800/critical-mineral-prices-spike-china-export-curbs-bite?module=top_story&pgtype=section
ノルウェーは2027年に炭素国境調整メカニズム(CBAM)を導入する計画を進めています。 このメカニズムは国内産業を保護し、二酸化炭素排出量削減を促進することを目的としています。 CBAMは環境基準が厳しくない国からの輸入品にも炭素税を課すことで、「炭素漏出」(炭素規制の少ない地域への生産移転)を防ぐことを狙っています。気候環境大臣のアンドレアス・エリクセン氏は、CBAMがノルウェーの産業に有益であり、雇用の維持にも役立つと述べています。 財務大臣のイェンス・ストルテンベルグ氏も、CBAMがノルウェー企業の競争力を維持し、他国に炭素規制の導入を促すための有用なツールになると強調しています。このメカニズムの実施には、ノルウェー税務局が中心的な役割を担い、税務当局と関税局も重要な機能を果たします。 一方で、欧州の鉄鋼業はCBAMの改善を求めています。
▶ https://gmk.center/en/news/norway-is-preparing-to-introduce-cbam-in-2027/
欧州コカコーラは昨年9月に象徴的なボトルデザインを「Recycle Me Again」として刷新し、持続可能性への取組を開始しました。 主力ブランドのボトルに100%リサイクルプラスチックを使用することで、プラスチック廃棄物の削減を目指しています。 しかし、プラスチックは限られた回数しかリサイクルできず、最終的には埋立地や海に流れることが多いという問題があります。 環境保護団体は、コカコーラが依然としてブランドプラスチック廃棄物の最大生産者であり、持続可能性の約束を撤回した歴史があると指摘しています。更にマイクロプラスチックやAI使用による環境リスクも懸念されています。 批評家はこの取り組みがイメージ重視のグリーンウォッシングではないかと疑問視し始めています。PETのリサイクルにも抵抗が増してきました。
▶ https://indiandefencereview.com/coca-cola-announces-changes-to-its-iconic-bottle-design-it-has-kept-for-decades/
先週、欧州政府は廃棄物コードをアップデートし、廃電池から得られるブラックマス(BM)を「有害廃棄物」と分類しました。これはEU域内にブラックマスを留める政策で、既に昨年より提案が提示されていました。ブラックマスだけでなく、リチウムベース、ニッケルベース、亜鉛ベースの廃棄電池も有害物質として分類されました。この変更は、循環型経済への移行や原材料の供給安全性の向上を目的として行われたものです。BMの輸送を厳しく管理し、OECD非加盟国への輸出を禁止することで、バッテリーのリサイクルを強化することが期待されています。新しい廃棄物コードは、実際は域内に入った重要鉱物の再輸出を禁止する事で、域内での価格バッファーを作る事です。
▶ https://environment.ec.europa.eu/news/battery-related-waste-codes-update-set-boost-circular-economy-2025-03-05_en
米国の新エネルギー長官クリス・ライトは、ワシントンで開催された集会で、アフリカのエネルギー大臣やハイテク企業の創業者らに望むエネルギー源を利用するよう奨励しました。彼は石炭を含むあらゆるエネルギー源の利用を支持しました。ライト氏は、石炭が「世界を変え、より良くした」と述べ、西側諸国の石炭開発への反対を批判しました。この発言はアフリカのエネルギー開発業者から支持されました。最近同氏は「電気料金を引き上げ、米国の雇用を奪ったとされる「非合理的で準宗教的な」気候変動政策を撤回することで「人類の潜在能力を完全に解き放つ」」と発言しています。
▶ https://www.reuters.com/business/energy/ceraweek-us-energy-secretary-says-global-warming-side-effect-modern-economy-2025-03-10/
欧州政府は移民に対する「帰還法」を準備し始めました。欧州委員会は難民・移民制度の「欠陥」を補う為の新しい帰還規則を発表する予定です。この規則は2008年以来施行されている指令に取って代わり、EU全体で直接適用され、拘束力を持つことになります。新しい規則は、EUの低い移民返還率に対処し、加盟国間で統一された返還(帰還)システムを構築することを目指しています。また、EUは「帰還拠点」の設立を検討しており、これは域外専用の強制送還センターを設けることを意味します。新しい提案では、より厳しい規則が導入され、送還決定を受けた個人に対して拘留期間が最大24ヵ月に延長される可能性があります。入国禁止期間も最大20年に延長される可能性があります。
▶ https://www.euractiv.com/section/politics/news/return-hubs-possible-under-new-eu-rules/
中国は今年最大の政治イベントである全国人民代表大会を終えました。経済成長の回復を目指していますが、具体的な努力の程度は不明です。今年の成長目標は約5%とされていますが、アナリストは達成が難しいと指摘しています。期待された政府による大規模な景気刺激策は全人代では一部しか発表はありませんでした。実は政権内部でも「経済政策」について意見が割れているようで、実際にそれは政権内での権力闘争にまでなりつつあるという「噂」が絶えません。注目されているのは、中国指導部第3位の趙楽際氏が、全人代の閉会式とその前の重要な会議を欠席した事です。党の最高幹部である政治局常務委員会のメンバーがこれらの行事に出席しなかったのは、約20年振りのことです。前回は2006年に黄菊前副首相が病気のため入院し欠席しました。今回の趙氏の欠席は「呼吸器感染症」の病気との正式発表です。ちなみに、2006年に欠席した黄副首相(当時指導部第6位)は、翌年の2007年に亡くなりましたが、当局は死因を明らかにしていません。実際、中国国内の景気は相当傷んでいるようです。
▶ https://www.independent.co.uk/news/national-peoples-congress-china-donald-trump-xi-jinping-beijing-b2712679.html
スウェーデンのEVバッテリーメーカー、ノースボルトがスウェーデンで破産を申請しました。今後はスウェーデンの破産手続き下で再建もしくは資産の処理等が行われる見込みです。同社は欧州最大の資金調達を誇るグリーン・スタートアップ企業で、中国製LIBからの脱却を目指していました。フォルクスワーゲンやブラックロック等から100億~150億ドルの投資を受けていましたが、2024年末以降、工場稼働の為に更なる資金を必要として奔走していました。5,000人の従業員を抱え、グリーンエネルギーを使用したEVバッテリーの大量生産を目指していましたが、資本コスト上昇や市場需要の変化などが破産の要因となったと伝えられています。
▶ https://northvolt.com/articles/northvolt-files-for-bankruptcy-in-sweden/
3月初旬以降、世界の多くの地域で熱延コイルの価格が上昇しています。北欧、南ヨーロッパ、ベトナム、米国で価格上昇が見られます。特に米国では1トン当たり100~150ドルの急激な上昇です。価格上昇の要因は、各国の保護政策によるもので、ベトナムでは中国製品への反ダンピング関税が導入され、米国ではすべての金属輸入に25%の関税が課されています。一方、中国市場では価格が下落し、他の地域とは異なる動きを示しています。こうした動きに対して、欧州鉄鋼業界は関税措置に対し深刻な懸念を表明しています。
▶ https://gmk.center/en/news/protective-measures-boost-hrc-prices-worldwide/
米国が本格的に重要鉱物の供給先の多様化を図っています。ウズベキスタンは26億ドルの鉱物資源開発計画を発表し、米国の重要なレアアース供給源となる可能性が高まっています。この3ヵ年計画では28種類の元素を対象とする76のプロジェクトを開発し、国内産業基盤の刺激を目指す計画です。米国はウズベキスタンを重要な拠点とみなし、両国間で鉱物資源開発に関する協力が進んでいます。2024年9月には覚書に署名し、探査、採掘、付加価値製品チェーンの開発に関する対話を継続しています。ウクライナとのディールを含め、調達の多様化は欧米政府の喫緊の問題となっています。
▶ https://oilprice.com/Metals/Commodities/US-and-Uzbekistan-Forge-Critical-Minerals-Partnership.html
銅を巡って2つの巨人が提携します。アングロ・アメリカンとコデルコは、チリ北東部の隣接鉱山での銅生産を増加させる為に新たな事業会社設立に合意しました。2030年から21年間で270万トンの銅生産増が見込まれ、税引き前正味現在価値は50億ドル以上と予測されています。両社は資産を均等に分配し、ロス・ブロンセス鉱山とアンディーナ鉱山の処理能力を最適化する計画です。銅の需要増加が予測される中、この提携は市場再編のきっかけとなると見られており、将来の銅不足への対応策ともなります。
▶ https://agmetalminer.com/2025/03/10/copper-market-titans-forge-alliance/
米国環境保護庁(EPA)は、気候変動関連法の基礎となった2009年の「危険性認定」の正式な見直しを開始しました。この認定が撤回されれば、将来の政策に大きな影響を与える可能性があります。EPA長官のリー・ゼルディンは、国家の繁栄やエネルギー安全保障、国民の自由を犠牲にしないと述べ、科学と法律、常識に従うと宣言しました。エネルギー長官のクリス・ライトは、この認定が国民生活に非常に悪影響を与えたと批判しました。EPAは30日以内に見直しを完了し、認定の維持または撤回に関する勧告を提出する予定です。撤回された場合、発電所や自動車、油井からの排出に関する政策の改訂につながる可能性があります。しかし2007年の最高裁判決がEPAの権限を支持していることから結果は不確実です。
▶ https://www.independent.co.uk/climate-change/trump-epa-climate-funding-lee-zeldin-b2713994.html
米国が銅輸入に25%の関税を課す可能性を示唆したことで、コメックス銅価格が急騰し、市場のボラティリティが高まりました。世界の銅在庫レベルは上昇傾向にあり、特にコメックスの在庫が大幅に増加しています。一方、LMEとSHFEの在庫は異なる動きを見せています。再生可能エネルギーやテクノロジー分野からの需要は継続していますが、米国の景気後退懸念や中国のデフレ等、経済の不確実性が銅市場のリスクを高めています。銅価格の先行きは、政治判断で大きく動く、不透明な状況となっています。
▶ https://agmetalminer.com/2025/03/12/copper-mmi-copper-prices-up-tariff/
鉄鋼生産機器の大手イタリアの企業グループ、ダニエリと先進的なモジュール式原子炉の開発を行うニュークレオは、小型先進原子炉技術を製鉄業に統合することを検討するための覚書に署名しました。両グループは共同声明で「この合意は原子力エネルギーから得られる電気と熱を組み合わせて鉄鋼生産の脱炭素化を支援するための基礎を築くものだ」と述べています。ニュークレオは再処理された核廃棄物を動力源とする先進的なモジュール型原子炉の開発に取り組んでおり、この技術は核廃棄物処理から生じるコストとリスクの削減を目指しています。この計画最終の目標は鉄鋼メーカーにグリーンスチールの生産の為の経済的に実現可能なソリューションを提供することです。鉄鋼生産の完全な脱炭素化は原子力か水素と言われていますので、この動きは長期的な技術開発として注目されています。
▶ https://manufacturing.economictimes.indiatimes.com/amp/news/energy/danieli-newcleo-team-up-to-explore-nuclear-powered-green-steel-production/118874892
欧州議会で新たな汚職疑惑が浮上しました。約15人の現職・元職議員が中国政府系企業から賄賂を受け取った疑いがあり、ベルギーとポルトガルで捜索が行われています。ファーウェイのロビイストらが議員にサッカーチケットや豪華旅行等を提供した可能性があると言われています。捜査は2年続いており、欧州議会は当局に協力する姿勢を示しています。ファーウェイは中国共産党と密接な関係にあるとされ、EU諸国は同社に慎重な姿勢を取っています。この事件態はEUの対中国政策に影響を与える可能性が指摘されています。最近は、こうした議会工作が頻繁に行われるようになっています。
▶ https://www.euractiv.com/section/politics/news/belgian-police-target-huawei-over-alleged-mep-bribes/
▶ https://www.reuters.com/markets/commodities/thyssenkrupp-cut-1800-jobs-automotive-weakness-2025-03-06/
韓国の研究者らが開発した先進的なニッケルリッチカソードを用いた全固体電池は、300サイクル後も初期容量の80.2%を維持する画期的な性能を示しました。この新設計のカソードは、表面と構造を最適化し、柱状設計を特徴としており、粒子の剥離を大幅に減少させ全体的な安定性を向上させました。ニッケル含有量80%のカソードでは表面劣化に問題があり、85%以上では粒子の分離や剥離が課題でした。しかし、これらの問題に対処することで、高性能で長寿命、より安全な全固体電池の実現に向けた大きな進展となりました。
▶ https://interestingengineering.com/energy/solid-state-battery-issue
中国の1~2月期の貿易統計によると、輸入が予想外に8.4%減少し、輸出も2.3%増にとどまり鈍化しました。輸入が減るというのは、経済原則の典型的なパターンです。この背景には米国との新たな貿易摩擦への懸念があります。米国は中国製品に10%の追加関税を課し、中国も報復措置を取りました。アナリストは中国が主要商品の購入を縮小し始めたと指摘しています。中国政府は消費と国内需要の拡大を優先する方針ですが、李強首相は現状を「不十分」と評価し、成長モデルの再構築の緊急性を強調しました。
▶ https://www.fxstreet.com/news/china-exports-slowed-more-than-expected-in-january-february-uob-group-202503070922
国連環境計画が以下の内容の「気候緊急事態」を掲載しました。気候緊急事態が深刻化し、世界の平均気温は1.1~1.2°C上昇しました。パリ協定の目標達成には、2030年迄に温室効果ガス排出量を半減し、2050年迄に実質ゼロにする必要があります。アフリカは排出量が少ないにも関わらず、気候変動の影響に最も脆弱で、適応コストが年間527億ドルに達すると予測されています。国連環境計画は科学的研究の提供、セクター横断的な取組支援、公正な移行の確保、資金メカニズムの提供を通じて気候危機に対応しています。気候危機を解決する方法はわかっていますが、私たちが共に課題に立ち向かい、機会を受け入れなければ解決は不可能です。
▶ https://www.unep.org/climate-emergency
バーゼル条約の変更に強い影響力を持つ、国際汚染物質除去ネットワークである「ジュネーブ環境ネットワーク」がバーチャルイベントを開催します。今回のベントでは、ごみ固形燃料(RDF)と繊維廃棄物という2つの廃棄物の国際流通に焦点があてられ、これらのプラスチック廃棄物の輸出に対して、バーゼル条約を準拠させる方法を明らかにすると強調しています。今年のバーゼル条約、ロッテルダム条約、ストックホルム条約の締約国会議は、4月28日から5月9日までジュネーブで開催される予定です。今回のバーチャルイベントは、この締約国会議に先立って行われるものです。2020年~のプラスチック廃棄物規制、2025年~のWEEE規制、今後は2030年規制に向け動きだす事になりそうです。
▶ https://www.genevaenvironmentnetwork.org/events/the-hidden-plastic-waste-exports-the-case-for-basel-convention-controls-on-rdf-and-textiles/
中国の保護主義政策により、戦略的鉱物の価格が急騰し、サプライチェーンが混乱しています。 アンチモンは昨年の中国の輸出制限以降、価格が中国で21.8%、ロッテルダムで32.85%上昇しました。 ビスマスも関税引き上げを受けた輸出制限で価格が急騰し、中国が世界生産の80%を占める中、供給逼迫が続いています。 また、コンゴ民主共和国のコバルト輸出停止により、電池材料として重要なコバルトも価格が48.5%上昇しました。 これらの鉱物は米中間の貿易戦争や需要増加で更に高騰する可能性があります。
▶ https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3301800/critical-mineral-prices-spike-china-export-curbs-bite?module=top_story&pgtype=section
ノルウェーは2027年に炭素国境調整メカニズム(CBAM)を導入する計画を進めています。 このメカニズムは国内産業を保護し、二酸化炭素排出量削減を促進することを目的としています。 CBAMは環境基準が厳しくない国からの輸入品にも炭素税を課すことで、「炭素漏出」(炭素規制の少ない地域への生産移転)を防ぐことを狙っています。気候環境大臣のアンドレアス・エリクセン氏は、CBAMがノルウェーの産業に有益であり、雇用の維持にも役立つと述べています。 財務大臣のイェンス・ストルテンベルグ氏も、CBAMがノルウェー企業の競争力を維持し、他国に炭素規制の導入を促すための有用なツールになると強調しています。このメカニズムの実施には、ノルウェー税務局が中心的な役割を担い、税務当局と関税局も重要な機能を果たします。 一方で、欧州の鉄鋼業はCBAMの改善を求めています。
▶ https://gmk.center/en/news/norway-is-preparing-to-introduce-cbam-in-2027/
欧州コカコーラは昨年9月に象徴的なボトルデザインを「Recycle Me Again」として刷新し、持続可能性への取組を開始しました。 主力ブランドのボトルに100%リサイクルプラスチックを使用することで、プラスチック廃棄物の削減を目指しています。 しかし、プラスチックは限られた回数しかリサイクルできず、最終的には埋立地や海に流れることが多いという問題があります。 環境保護団体は、コカコーラが依然としてブランドプラスチック廃棄物の最大生産者であり、持続可能性の約束を撤回した歴史があると指摘しています。更にマイクロプラスチックやAI使用による環境リスクも懸念されています。 批評家はこの取り組みがイメージ重視のグリーンウォッシングではないかと疑問視し始めています。PETのリサイクルにも抵抗が増してきました。
▶ https://indiandefencereview.com/coca-cola-announces-changes-to-its-iconic-bottle-design-it-has-kept-for-decades/
先週、欧州政府は廃棄物コードをアップデートし、廃電池から得られるブラックマス(BM)を「有害廃棄物」と分類しました。これはEU域内にブラックマスを留める政策で、既に昨年より提案が提示されていました。ブラックマスだけでなく、リチウムベース、ニッケルベース、亜鉛ベースの廃棄電池も有害物質として分類されました。この変更は、循環型経済への移行や原材料の供給安全性の向上を目的として行われたものです。BMの輸送を厳しく管理し、OECD非加盟国への輸出を禁止することで、バッテリーのリサイクルを強化することが期待されています。新しい廃棄物コードは、実際は域内に入った重要鉱物の再輸出を禁止する事で、域内での価格バッファーを作る事です。
▶ https://environment.ec.europa.eu/news/battery-related-waste-codes-update-set-boost-circular-economy-2025-03-05_en
米国の新エネルギー長官クリス・ライトは、ワシントンで開催された集会で、アフリカのエネルギー大臣やハイテク企業の創業者らに望むエネルギー源を利用するよう奨励しました。彼は石炭を含むあらゆるエネルギー源の利用を支持しました。ライト氏は、石炭が「世界を変え、より良くした」と述べ、西側諸国の石炭開発への反対を批判しました。この発言はアフリカのエネルギー開発業者から支持されました。最近同氏は「電気料金を引き上げ、米国の雇用を奪ったとされる「非合理的で準宗教的な」気候変動政策を撤回することで「人類の潜在能力を完全に解き放つ」」と発言しています。
▶ https://www.reuters.com/business/energy/ceraweek-us-energy-secretary-says-global-warming-side-effect-modern-economy-2025-03-10/
欧州政府は移民に対する「帰還法」を準備し始めました。欧州委員会は難民・移民制度の「欠陥」を補う為の新しい帰還規則を発表する予定です。この規則は2008年以来施行されている指令に取って代わり、EU全体で直接適用され、拘束力を持つことになります。新しい規則は、EUの低い移民返還率に対処し、加盟国間で統一された返還(帰還)システムを構築することを目指しています。また、EUは「帰還拠点」の設立を検討しており、これは域外専用の強制送還センターを設けることを意味します。新しい提案では、より厳しい規則が導入され、送還決定を受けた個人に対して拘留期間が最大24ヵ月に延長される可能性があります。入国禁止期間も最大20年に延長される可能性があります。
▶ https://www.euractiv.com/section/politics/news/return-hubs-possible-under-new-eu-rules/
中国は今年最大の政治イベントである全国人民代表大会を終えました。経済成長の回復を目指していますが、具体的な努力の程度は不明です。今年の成長目標は約5%とされていますが、アナリストは達成が難しいと指摘しています。期待された政府による大規模な景気刺激策は全人代では一部しか発表はありませんでした。実は政権内部でも「経済政策」について意見が割れているようで、実際にそれは政権内での権力闘争にまでなりつつあるという「噂」が絶えません。注目されているのは、中国指導部第3位の趙楽際氏が、全人代の閉会式とその前の重要な会議を欠席した事です。党の最高幹部である政治局常務委員会のメンバーがこれらの行事に出席しなかったのは、約20年振りのことです。前回は2006年に黄菊前副首相が病気のため入院し欠席しました。今回の趙氏の欠席は「呼吸器感染症」の病気との正式発表です。ちなみに、2006年に欠席した黄副首相(当時指導部第6位)は、翌年の2007年に亡くなりましたが、当局は死因を明らかにしていません。実際、中国国内の景気は相当傷んでいるようです。
▶ https://www.independent.co.uk/news/national-peoples-congress-china-donald-trump-xi-jinping-beijing-b2712679.html
スウェーデンのEVバッテリーメーカー、ノースボルトがスウェーデンで破産を申請しました。今後はスウェーデンの破産手続き下で再建もしくは資産の処理等が行われる見込みです。同社は欧州最大の資金調達を誇るグリーン・スタートアップ企業で、中国製LIBからの脱却を目指していました。フォルクスワーゲンやブラックロック等から100億~150億ドルの投資を受けていましたが、2024年末以降、工場稼働の為に更なる資金を必要として奔走していました。5,000人の従業員を抱え、グリーンエネルギーを使用したEVバッテリーの大量生産を目指していましたが、資本コスト上昇や市場需要の変化などが破産の要因となったと伝えられています。
▶ https://northvolt.com/articles/northvolt-files-for-bankruptcy-in-sweden/
3月初旬以降、世界の多くの地域で熱延コイルの価格が上昇しています。北欧、南ヨーロッパ、ベトナム、米国で価格上昇が見られます。特に米国では1トン当たり100~150ドルの急激な上昇です。価格上昇の要因は、各国の保護政策によるもので、ベトナムでは中国製品への反ダンピング関税が導入され、米国ではすべての金属輸入に25%の関税が課されています。一方、中国市場では価格が下落し、他の地域とは異なる動きを示しています。こうした動きに対して、欧州鉄鋼業界は関税措置に対し深刻な懸念を表明しています。
▶ https://gmk.center/en/news/protective-measures-boost-hrc-prices-worldwide/
米国が本格的に重要鉱物の供給先の多様化を図っています。ウズベキスタンは26億ドルの鉱物資源開発計画を発表し、米国の重要なレアアース供給源となる可能性が高まっています。この3ヵ年計画では28種類の元素を対象とする76のプロジェクトを開発し、国内産業基盤の刺激を目指す計画です。米国はウズベキスタンを重要な拠点とみなし、両国間で鉱物資源開発に関する協力が進んでいます。2024年9月には覚書に署名し、探査、採掘、付加価値製品チェーンの開発に関する対話を継続しています。ウクライナとのディールを含め、調達の多様化は欧米政府の喫緊の問題となっています。
▶ https://oilprice.com/Metals/Commodities/US-and-Uzbekistan-Forge-Critical-Minerals-Partnership.html
銅を巡って2つの巨人が提携します。アングロ・アメリカンとコデルコは、チリ北東部の隣接鉱山での銅生産を増加させる為に新たな事業会社設立に合意しました。2030年から21年間で270万トンの銅生産増が見込まれ、税引き前正味現在価値は50億ドル以上と予測されています。両社は資産を均等に分配し、ロス・ブロンセス鉱山とアンディーナ鉱山の処理能力を最適化する計画です。銅の需要増加が予測される中、この提携は市場再編のきっかけとなると見られており、将来の銅不足への対応策ともなります。
▶ https://agmetalminer.com/2025/03/10/copper-market-titans-forge-alliance/
米国環境保護庁(EPA)は、気候変動関連法の基礎となった2009年の「危険性認定」の正式な見直しを開始しました。この認定が撤回されれば、将来の政策に大きな影響を与える可能性があります。EPA長官のリー・ゼルディンは、国家の繁栄やエネルギー安全保障、国民の自由を犠牲にしないと述べ、科学と法律、常識に従うと宣言しました。エネルギー長官のクリス・ライトは、この認定が国民生活に非常に悪影響を与えたと批判しました。EPAは30日以内に見直しを完了し、認定の維持または撤回に関する勧告を提出する予定です。撤回された場合、発電所や自動車、油井からの排出に関する政策の改訂につながる可能性があります。しかし2007年の最高裁判決がEPAの権限を支持していることから結果は不確実です。
▶ https://www.independent.co.uk/climate-change/trump-epa-climate-funding-lee-zeldin-b2713994.html
米国が銅輸入に25%の関税を課す可能性を示唆したことで、コメックス銅価格が急騰し、市場のボラティリティが高まりました。世界の銅在庫レベルは上昇傾向にあり、特にコメックスの在庫が大幅に増加しています。一方、LMEとSHFEの在庫は異なる動きを見せています。再生可能エネルギーやテクノロジー分野からの需要は継続していますが、米国の景気後退懸念や中国のデフレ等、経済の不確実性が銅市場のリスクを高めています。銅価格の先行きは、政治判断で大きく動く、不透明な状況となっています。
▶ https://agmetalminer.com/2025/03/12/copper-mmi-copper-prices-up-tariff/
鉄鋼生産機器の大手イタリアの企業グループ、ダニエリと先進的なモジュール式原子炉の開発を行うニュークレオは、小型先進原子炉技術を製鉄業に統合することを検討するための覚書に署名しました。両グループは共同声明で「この合意は原子力エネルギーから得られる電気と熱を組み合わせて鉄鋼生産の脱炭素化を支援するための基礎を築くものだ」と述べています。ニュークレオは再処理された核廃棄物を動力源とする先進的なモジュール型原子炉の開発に取り組んでおり、この技術は核廃棄物処理から生じるコストとリスクの削減を目指しています。この計画最終の目標は鉄鋼メーカーにグリーンスチールの生産の為の経済的に実現可能なソリューションを提供することです。鉄鋼生産の完全な脱炭素化は原子力か水素と言われていますので、この動きは長期的な技術開発として注目されています。
▶ https://manufacturing.economictimes.indiatimes.com/amp/news/energy/danieli-newcleo-team-up-to-explore-nuclear-powered-green-steel-production/118874892
欧州議会で新たな汚職疑惑が浮上しました。約15人の現職・元職議員が中国政府系企業から賄賂を受け取った疑いがあり、ベルギーとポルトガルで捜索が行われています。ファーウェイのロビイストらが議員にサッカーチケットや豪華旅行等を提供した可能性があると言われています。捜査は2年続いており、欧州議会は当局に協力する姿勢を示しています。ファーウェイは中国共産党と密接な関係にあるとされ、EU諸国は同社に慎重な姿勢を取っています。この事件態はEUの対中国政策に影響を与える可能性が指摘されています。最近は、こうした議会工作が頻繁に行われるようになっています。
▶ https://www.euractiv.com/section/politics/news/belgian-police-target-huawei-over-alleged-mep-bribes/