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NEWSCONの気になるNEWS(2025年2月第3週)

欧州議会(EP)はサーキュラーエコノミーとリサイクル材料の使用増加を盛り込んだ、使用済み自動車(ELV)規制の改訂を承認しました。EPは再生プラスチックの使用を増やすことを目指しながら、自動車業界の実現可能性を確保する為に当初の目標の25%から20%に引き下げました。製造業者はバイオベースのプラスチックを含む消費前廃棄物と消費廃棄物の両方から再生プラスチックを調達することで柔軟性を得ることができます。使用済み車両からのリサイクル含有量を指定するクローズド・ループ・リサイクル要件も、25%から15%に削減されました。EPは正確な実施を確保する為にケミカルリサイクル技術を考慮した再生プラスチック含有量の算出と検証の為の標準化された方法を開発するよう欧州委員会に要請しました。デジタル製品パスポートはトレーサビリティの向上にも注目されています。EPは更に技術の進歩、再生プラスチックの利用可能性、及び材料の品質に基づいて、プラスチックリサイクル目標の実現可能性を再評価する為の影響評価を推奨しています。
https://www.chemanalyst.com/NewsAndDeals/NewsDetails/eu-parliament-revises-end-of-life-vehicle-rules-lowers-recycled-plastic-targets-34533

今後の鉄鋼の炭素化投資に影響が出る可能性がある情報です。欧州鉄鋼生産者協会EUROFERは炭素国境調整メカニズム(CBAM)の緊急改善を要請しています。主な懸念点は、メカニズムの簡素化と有効性向上の時間枠の違いです。CBAMの重要な側面に関する立法提案は来年初めまで提示されず、資源の不当配分への対処も計画に含まれていません。EUROFERは今年のCBAM改訂が極めて重要だと考え、資源再配分リスクへの対応、欧州の輸出維持、下流製品への範囲拡大などの改善を求めています。これらの調整がなければ、炭素漏出に対する十分な保護が提供されず、生産移転を加速する可能性があると警告しています。同時に事業者の事務負担を最小限に抑える為の簡素化も必要とされています。EUROFERは、より効果的でシンプルなCBAMが緊急に必要だと主張しています。結果的に低炭素鋼の開発は製品価格を上げ、市場に受け入れられにくいということが現実のものとなってきました。
https://gmk.center/en/news/eurofer-call-again-for-urgent-improvement-of-cbam/

インドが鉄鋼のセーフガードの検討を開始しているようです。間接税関税中央委員会(CBIC)は特に中国、韓国、日本からの安価な輸入品から国内産業を保護する為に鉄鋼輸入にセーフガード関税を課すことを検討しています。貿易救済総局(DGTR)はセーフガード、又はアンチダンピング関税が正当化されるかどうかを調査しています。この見直しは2025-26年度連邦予算によるインドの関税体系の合理化と並行して行われ、ASEAN諸国に合わせて平均関税を11.66%から10.66%に引き下げます。政府は歳入の変化を補う為に農業インフラ開発税(AIDC)を調整しました。インドの鉄鋼業界は低コストの輸入が急増していることから、セーフガード措置を求めていますが、鉄鋼輸入に依存している一部の業界は生産コストの増加を懸念しています。また、これまでインドの関税政策を批判してきた米国との貿易関係や国際貿易協定の遵守についても検討しています。
https://indiashippingnews.com/cbic-reviews-safeguard-duty-on-steel-imports-amid-tariff-cuts/

国際エネルギー機関(IEA)は世界の電力需要が2027年までに年間4%の割合で増加すると予測しています。これは近年で最も速い成長率となります。需要増加の主な要因は工業生産での電力使用量の増加、エアコン需要の増加、運輸部門の電化加速、データセンターの急速な拡大です。需要増加の85%は発展途上国によるもので、特に中国が牽引役となると予想されています。中国の電力需要は昨年7%増加し、2027年迄の年間成長率は平均6%に達する可能性があります。IEAのファティ・ビロル事務局長は、この需要増加が世界のエネルギーシステムの大きな変化を示すとともに、政府に新たな課題を突きつけていると指摘しています。
https://www.iea.org/news/growth-in-global-electricity-demand-is-set-to-accelerate-in-the-coming-years-as-power-hungry-sectors-expand

中国政府は噂通り11省庁連名で銅製錬業界の生産能力抑制策を発表しました。新規制では企業が鉱石供給を確保することを生産拡大の条件としています。しかし、中国の銅鉱石輸入依存度(約80%)の高さから、大半の企業はこれを満たせない状況です。専門家は規制は「原則」適用であり、アルミニウム業界のような生産量の一律上限を設けない柔軟性があることを指摘しています。2023年に中国の銅業界は自主規制に失敗し、生産量は過去最高を記録しました。鉱石争奪戦で製錬手数料がマイナス化し、収益性が悪化しました。今回は中央政府が銅の重要性を考慮しつつ規制介入に踏み切りました。今回の措置は鉄鋼・セメント等、他業界の過剰生産問題にも連動する見込みです。
https://www.mining.com/web/china-slows-rather-than-halts-copper-smeltings-breakneck-growth/

インドの大手コングロマリットであるヒンダルコ・インダストリーズは、今後3年間で非鉄関連に40,000億ルピーを投入する拡張計画を発表しました。主なプロジェクトには銅圧延、アルミナ製造、銅リサイクル工場の建設が含まれます。ヒンダルコの米国子会社であるノベリスはトランプ政権下での潜在的な関税の恩恵を受ける立場にあり、コングロマリットの収益源をさらに多様化しています。中国から徐々にインドに大型投資が移る中、ヒンダルコはインドの国家目標に沿って、特に製造業と金属セクターでさらに投資を増やす決定をしています。
https://newskarnataka.com/business/hindalcos-%E2%82%B940000-crore-investment-plans-amid-positive-economic-climate/17022025/

英国政府は、英国の鉄鋼業界に25億ポンドの戦略的投資を発表しました。これは英国の鉄鋼業界の雇用保護と競争力強化を目的に行われます。政府は高騰する電気料金や不公正な国際取引慣行への対策を検討する計画です。即時の措置としてヒースロー空港が40万トンの鋼材調達を決定し、サプライチェーンの安定化と経済波及効果を図りました。更に今後、公共調達制度の簡素化により、政府契約で国内鉄鋼企業が優先される仕組みを確立し、国際競争力の強化を推進します。米国に対しては防衛・製造業での重要性を根拠に、英国産の鉄鋼・アルミニウムへの25%関税回避を働きかける方針も明らかにしました。政府は2024年春には「鉄鋼戦略」を発表し、鉄鋼協議会と連携して地域投資を加速する予定でしたが、遅れていました。
https://www.gov.uk/government/news/business-secretary-fortifies-uk-steel-industry

2021年の総選挙で最も大きな選挙テーマであった気候変動は、1週間後のドイツ総選挙では有権者の関心順位から後退し、平和・安全(45%)と経済(44%)が最優先課題となっています。移民問題をめぐる治安事件や2年連続の経済縮小が背景にあり、気候保護への支持は22%に留まりました。主要政党の気候政策は分裂しています。住宅暖房法を巡り、CDU/FDP/AfDは改正案廃止を主張する一方、緑の党は再生エネルギー導入補助の拡充を主張しています。2035年EV新車販売禁止に対してCDU/FDPは撤回を要求し、AfDは「電気自動車優遇中止」を掲げています。現在、気候政策は、エネルギー価格高騰や自動車産業のEV転換遅れなど経済課題と直結しており、中道政党は「現実的な移行コスト管理」を強調し、緑の党は炭素価格制度による市場メカニズム活用を主張する等、持続可能な政策の実行に向けて民意が割れています。この選挙結果によって、欧州の気候政策は大きな影響を受ける見込みです。
https://www.euronews.com/green/2025/02/16/german-election-2025-where-do-political-parties-stand-on-key-climate-issues

2025年2月17日にロンドンで世界初のバッテリーリサイクル・グローバルプラットフォーム「ReBattery」が始動しました。認定リサイクル業者と排出企業を結ぶデジタルマーケットプレイスで、従来2~3ヵ月要した地域別のパートナー選定を数クリックで可能にします。同社のプラットフォームでは競合見積もり比較やコンプライアンス管理機能を搭載し、主要市場で運用を開始する計画です。
https://www.letsrecycle.com/news/first-global-platform-for-battery-recycling-launches/

毎回の恒例行事になりつつありますが、欧州リサイクル産業連盟は、EU議会による使用済み自動車規則(ELV規則)の原案の緩和に反対する声明を出しました。現在審議中の欧州議会のELV規制に関する報告書草案は「自動車の循環性へ深刻な懸念を引き起こす」としています。声明は複数の団体によって行われました。この共同声明では、元々欧州委員会が設定した目標を支持し、それらを緩和しようとする如何なる試みも拒否するよう、要請しています。彼らはまた、ヨーロッパのリサイクル及び廃棄物管理業界を弱体化させる可能性のある新しい廃棄物の種類や材料を(リサイクル材の定義に)含めることを強く否定しています。
https://euric.org/resource-hub/press-releases-statements/joint-statement-weakening-elv-circularity-targets-risks-undermining-europes-recycling-efforts

EU政府は来週エネルギーコストの抑制、市場開拓の主導、循環型材料へのアクセス等の戦略的要素を含む6項目の計画である「グリーン産業協定」の草案を発表する予定です。この協定によりEUの産業競争力の活性化を目指しています。産業界と政府は「即時の資本注入の必要性」を強調していますが、具体的な金額はまだ交渉中で予算には至っていません。また、3月5日を自動車産業救済戦略の期限とし、戦略的調達を欧州企業に向けて「現地生産義務」を通じて脱炭素化とサプライチェーンの再構築を推進します。
https://www.euractiv.com/section/politics/news/the-eus-masterplan-for-competing-in-industrial-manufacturing/

世界の長尺鋼製品市場は主に中国の鉄鋼輸出からの強い圧力により、2025年初頭に大きな課題に直面しています。中国の鉄鋼輸出量は2024年に過去最高の1億1,072万トンに達し、2023年より22.7%増加する見込みです。この動きは既に世界市場に大きな影響を与えており、市場は不安定となり、予測不可能な状態です。鉄鋼価格は2025年初頭まで下落を続けると予想され、2025年半ば、又は2025年末頃に底を打つ可能性があると予想されています。世界の鉄鋼需要は2025年に1.2%の緩やかな増加を示し、17億7000万トンに達すると予想されていますが、この回復は継続的な市場圧力と不確実性によって制限されると見込まれています。
https://recyclinginternational.com/commodities/ferrous-metal-recycling/double-whammy-of-chinese-exports-and-trump-uncertainty-binds-long-steel/59828/

欧州議会と欧州理事会の代表は、EU廃棄物枠組み指令(WFD)の目標改定について暫定合意に達しました。しかし、合意に関する詳細情報は殆ど提供されていません。立法パッケージに含まれる改正案は、廃棄繊維と食品廃棄物に関するものです。改訂では繊維製品に対する拡大生産者責任(EPR)が全ての生産者に適用されることになります。また、食品廃棄物の削減に関する数値目標(義務)も含まれる事になります。食品廃棄物は小売店や消費については、2030年迄に2021~2023年と比較して一人当たり30%削減する必要があります。食品加工業者および製造業者は、同じ期間に廃棄物を10%削減する必要があります。
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2025/02/19/council-and-parliament-agree-to-reduce-food-waste-and-set-new-rules-on-waste-textile/

欧州議会と欧州理事会の代表はEU廃棄物枠組み指令(WFD)の目標改定について暫定合意に達しました。しかし、合意に関する詳細情報はほとんど提供されていません。立法パッケージに含まれる改正案は、廃棄繊維と食品廃棄物に関するものです。改訂では繊維製品に対する拡大生産者責任(EPR)が全ての生産者に適用されることになります。また、食品廃棄物の削減に関する数値目標(義務)も含まれることになります。食品廃棄物は小売店や消費者については、2030年迄に2021~2023年と比較して一人当たり30%削減する必要があります。食品加工業者、及び製造業者は同じ期間に廃棄物を10%削減する必要があります。
https://www.theverge.com/news/615196/nikola-bankrupt-ev-truck-chapter-11

英国政府は新たなリサイクル対策として、各家庭に4つの廃棄物分別容器を設置する計画を発表しました。2026年3月31日迄に地方自治体は家庭からの主要なリサイクル可能な廃棄物(ガラス、金属、プラスチック、紙、カード、食品廃棄物など)の収集を開始する必要があります。食品廃棄物については週1回の収集が義務付けられ、紙やカードは汚染防止の為に他の乾燥品と分別して保管することが推奨されています。この新制度は現在44%で停滞している国内のリサイクル率向上を目指して導入されるものです。
https://www.ladbible.com/news/uk-news/uk-new-recycling-laws-four-different-bins-899030-20250219

米国は鉄鋼・アルミニウム製品に対する232条関税の大幅な見直しを発表しました。3月12日から全貿易相手国からの鉄鋼製品に25%、アルミ製品も10%から25%に引き上げられた関税が課される予定です。更に新たに167品目の鉄鋼派生製品と123品目のアルミ製品が追加対象となり、これまでカナダ、韓国、EU、日本などに認められていた適用除外もすべて廃止される予定です。この措置は米国内の鉄鋼・アルミ産業の活性化と、生産設備の稼働率80%以上への引き上げを目指して行われるものです。
https://www.npr.org/2025/02/20/nx-s1-5300051/tariffs-steel-aluminum-cans-food-groceries

南アジアの輸入鉄スクラップ市場は下落傾向にあります。特にインドは買いが弱くなりつつあります。また、ベトナムやインドネシア等の主要輸入国の需要も弱く、鉄スクラップの輸入が減少し始めています。結果、鉄鋼生産量は減少し、市場には安価なビレットが溢れ、地域全体で購買活動が減少しました。これは特にインドなどの国で顕著で、輸入量は依然として増加しているものの、増加率は前年に比べて鈍化しています。構造的な中国の影響は2024年末に緩和するとの期待がありましたが、2025年には米国の関税も影響し、悪化する可能性が高くなっています。
https://www.bigmint.co/insights/detail/south-asia-imported-ferrous-scrap-markets-witness-downtrend-indian-buyers-stay-quiet-624430

OpenAIのChatGPTの週間アクティブユーザー数が2025年2月に4億人を突破し、昨年12月の3億人から大幅に増加しました。有料のビジネスユーザーも200万人を超え、約5カ月で倍増を達成しています。この成長は中国のDeepSeekが高性能なAIモデルを発表し、米国の技術的優位性に疑問が投げかけられる中で示されたものです。OpenAIの新しい推論モデルo3の利用も1月下旬のリリース以来5倍に急増しており、AIツールの普及が急加速しています。英語圏ではこの傾向が顕著に表れており、既にAIなしでのビジネスはあり得ない時代が目の前に来ています。
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/openais-weekly-active-users-surpass-400-million-2025-02-20/

金の強気市場が続いています。2025年2月の世界貴金属市場は大きな変動を見せ、MMI(月次金属指数)は前月比7.36%上昇しました。パラジウムは季節需要で1月に上昇後、2月初旬に下落しましたが、プラチナは政策の影響にも関わらず安定的に推移し、自動車・産業需要の増加で2025年まで供給不足が予測されています。銀は32.80ドル/オンスまで上昇し、金は地政学的緊張や中央銀行の購入により2,942.70ドル/オンスの史上最高値を記録しました。UBSは金価格が年後半に3,200ドルまで上昇すると予測しています。引き続き、貴金属市場は強気の様相です。
https://agmetalminer.com/2025/02/20/precious-metal-prices-gold-record/



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