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NEWSCONの気になるNEWS(2023年12月第3週)
フランス政府は12月14日にEVに対する奨励金の規則を改定し、EV製造時に排出される炭素量を定めました。15日に発効する予定です。これにより多くの中国製造のEVは最大7,000ユーロの補助金対象から外される見込みです。中国の自動車産業が石炭発電に大きく依存している為です。新規定では中国製造EVの6車種がEV補助金を失うことになり、現在のフランス国内でのEV販売の26%が対象から外されます。フランス財務省当局者によれば、EV補助金の1/3は中国で製造されたEVを購入する消費者に向けられていたという事です。欧米で徐々に進む中国製造のEVやEV関連部品の排除は、欧州の景気や雇用の状況から、今後も進むものと見られています。輸出を見越して膨大な投資と設備過剰となっている中国EVには打撃となる可能性があります。
▶ https://www.transportenvironment.org/discover/frances-eco-bonus-shows-how-we-can-promote-cleaner-made-in-europe-evs/
中国の大手ZCゴム社のリサイクル子会社”中力ゴムリサイクルテクノロジー社”は、中国石油化学工業連合会(CPCIF)が主催する技術賞で最優秀賞を受賞しています。親会社のZCゴム社は、長年リサイクル技術の開発に取り組んでおり、今回複数の機関との共同研究で新たなタイヤリサイクル技術を開発しています。同賞を受賞したのは中国のタイヤ業界では初となります。現在、中国は世界最大量の廃タイヤを排出する国です。従来型のリサイクルでは汚染や高エネルギー消費、更に安全性の問題から商業利用に課題がありました。また再生材の新品タイヤへの利用は市場が殆ど存在せず、リサイクル率向上の妨げになっています。これまでZCゴム社は40万トンの廃タイヤ(タイヤ170万本に相当)をリサイクルしています。
▶ https://www.zc-rubber.com/index.php
▶ https://www.tiretechnologyinternational.com/news/sustainability/zc-rubber-tire-recycling-project-recognized-by-cpcif.html
ドイツの大手ステンレス・リサイクル企業であるCRONIMET Holding GmbHは中国の新興LIB材料企業CNGR Advanced Materials Co., Ltdと提携し、自社のLIBリサイクル子会社revomet Bitterfeld GmbHでの商業生産に乗り出す事を発表しています。新工場の処理能力は年間28,000トン、稼働は2024年Q2となっています。CNGRは銅仁、寧郷、欽州、開陽の4ヶ所に拠点があり、インドネシアにも原料生産拠点が有ります。現在、韓国、フィンランド、モロッコにも工場を設立予定です。この企業協定は中国のカソード活物質メーカーと欧州のスクラップ企業との間で行われる事から注目されています。
▶ https://www.cronimet.de/en/newsroom/press/current-press-releases/
OEDCが世界の脱炭素(ネットゼロ)へのコストを試算し話題になっています。OECDは石炭を段階的に廃止し、石油とガスを大幅に削減するコストは今後数年間で世界の総生産(GDP)の伸びを0.2%削減すると試算しています。更にこの影響は2050年が近づくにつれ、0.2%から0.6%にまで増加する見込みです。2050年にネットゼロを達成する場合とそうでない場合の差はGDPで3.7%と試算しています。これはOECD加盟国38ヶ国の生産損失で、3兆6000億ドルに相当します。しかし、これらの損失や多額の費用が掛かっても行動を起こさなければ、地球温暖化により壊滅的な結果を招く可能性があると警告しています。こうしたコスト増は社会全体に影響すると見込まれています。
▶ https://biz.crast.net/oecd-warns-that-net-zero-would-cost-the-global-economy-trillions-of-pounds/
18日に英国政府は、2027年までにEUと類似した新たな国境炭素調整メカニズム(国境炭素税)を導入する事を発表しています。鉄、鋼、アルミニウム、セラミック、セメントの海外からの輸入時に英国で製品が生産される時に支払う英国炭素排出権取引市場の炭素価格と同等の課金を行う計画です。この制度により「炭素リーケージ」(炭素規制の低い地域への生産移管)のリスクを軽減します。英国の最大の貿易相手国はEUの為、EUと同等の炭素国境調整メカニズムが必要という背景があります。この制度によりEUと英国は炭素排出権取引市場と連動した国境炭素税を導入し保護貿易を確立する事になります。地政学と炭素の両方によるブロック化は国際交易に大きな変革をもたらす事は間違い無いと思われます。
▶ https://bit.ly/48qFUWp
LIBリサイクル新興企業として上場まで急速に拡大し資金を集めた米国のLi-Cycle社はニューヨークの集団訴訟法律事務所Gross Law FirmとBragar Eagel & Squire, P.C.から訴訟を起こされ、両法律事務所は株主に対する呼びかけをしています。訴訟はLi-Cycleが虚偽、又は誤解を招く発表をし、事業及び会社に不利益な事実を開示しなかった為です。同社の株価は半年で9分の1程度に急落しています。リサイクルの経験が全くない新興企業が多く参加してきたLIBリサイクルの世界では特別目的会社を介した上場による資金集めが行われ、その後実態が追い付かず、赤字続きの所が散見されます。同社はその典型的な例となっています。
▶ https://bit.ly/3TqSfp5
▶ https://bit.ly/3v6TDmP
欧州気候・インフラ・環境執行機関は、タイヤリサイクルプロジェクトについて報告しています。独自のタイヤ熱分解リサイクル技術を持ち、廃タイヤからカーボン ブラック、熱分解油、ガス、スチールを回収するスウェーデンのScandinavian Enviro Systems ABと大手プライベートエクイティ企業であるAntin Infrastructure Partnersは今年3月に欧州政府が主催するイノベーションプロジェクトNextGenを通じて、大型のタイヤリサイクル施設を設立する事を発表しました。リサイクル材は新たなタイヤの原料として使用出来るよう、研究が進められます。このプロジェクトには大手タイヤメーカーの仏ミシュランが支援をしています。年間の廃タイヤの処理能力は34,500トンで、これはスウェーデンで発生する年間廃タイヤ量の40%と同じ量になります。2025年の商業稼働に向け、プロジェクトが進められています。
▶ https://cinea.ec.europa.eu/news-events/news/green-assist-boosting-circular-sustainability-tyre-recycling-2023-12-12_en
EU重要な原材料法(CRMA)は来年Q1に発効される見込みです。重要原材料は34種、その内、新たに17の「戦略的原材料」が指定されました。土壇場で加わった人工黒鉛が含まれる「戦略的原材料」は2030年迄に年間必要量の少なくとも10%を採掘し、必要量の25%をリサイクルし、必要量の40%を域内で処理する事が法律の要件として課されます。またEUの年間需要の65%を超えて単一の第三国から供給される事は許されません。CRMAはグリーン技術の開発と生産をEU域内で行う為のEUネット・ゼロ産業法(NZIA)と同時に提案されており、技術、投資、資金援助、そして原材料の確保が一体となって運営される予定です。重要な原材料リストは4年毎に更新される計画です。
▶ https://single-market-economy.ec.europa.eu/sectors/raw-materials/areas-specific-interest/critical-raw-materials/critical-raw-materials-act_en
インドの建築用鉄鋼ブームが目前に迫っています。インドのタタ・スチールの副社長は今後数ヵ月後からインドで建設需要のブームが起き、鉄筋を主とする棒鋼の需要が急拡大するとの見解を述べています。インドは11月に過去前例の無い120万トンの鉄鋼製品を輸入しました。3ヶ月連続で輸入が輸出を上回っています。昨年から今年に掛けて、既に鉄鋼総生産量は1億2,300万トンに達しています。これは政府によるインフラ政策と投資家の楽観的な見通しにより建築部門に資金が流入している事が要因です。地政学の影響もあり、中国からインドに投資が流れる中、今後も鉄鋼需要は堅調と見られています。
▶ https://www.manufacturingtodayindia.com/sectors/tata-steel-vp-predicts-market-boom
EUの排ガス規制ユーロ7の改訂案は欧州議会と欧州理事会の暫定合意に達しています。暫定合意では結局、乗用車とバンの排出ガス規制と試験条件は現在のユーロ6から変更されず、野心的だった当初案は大幅に緩和されました。今回の改訂は主にブレーキとタイヤによる汚染物質の発生の規制になりました。欧州委員会は当初窒素酸化物や微粒子等、エンジンからの汚染物質の規制を厳格化する予定でした。しかし自動車業界や保守系の政治家からの懸念が続いていました。乗用車とバンでは排気ガス規制の変化はありませんが、トラックとバスでは窒素酸化物の排出量について、それぞれ実験室環境(NOx:200mg/kWh)と実際の走行条件(NOx:260mg/kWh)の両方で規制が強化されます。
▶ https://bit.ly/3RP5W03
集団訴訟を起こされたカナダ/米国のLIBリサイクル新興企業Li-Cycle社ですが、同社の件は政治問題にまで発展しています。元々の騒動の発端はLi-Cycleの「ハブ&スポーク戦略」の鍵となる米国ロチェスターのハブ工場(湿式製錬工場)の建設を10月に停止した事です。今年1月に米国エネルギー省(DOE)はLi-Cycleのロチェスター工場建設の為に3億7500万㌦の融資を一旦承認しました。当時の建設費用の見込みは4億8,500万㌦(680億円)でした。その後、同社は現在建設を再開した場合、8億5,000万ドルから10億ドルの費用が掛かるとの見積を公表しました。Li-Cycleの事業は赤字続きでQ3には損失が1億3050万ドル(160億円)に拡大しています。
今回政治的な問題となっているのは、米国連邦議会の商業委員会やエネルギー委員会がLi-Cycleの様な企業への巨額政府融資に問題が無かったのか精査を開始した事です。米国の現政権はグリーン化を推進する政策を強力に行っている為、保守系の議員からクリーンテックへの政府融資が行き過ぎているという批判は以前より続いていました。今年、ESG投資が世界的に低迷している中で政府融資や補助金が事業推進の鍵となっているグリーン企業は多く、この問題は色々な波及効果を生みそうです。
▶ https://nydailyrecord.com/2023/12/18/republican-lawmakers-want-details-of-conditional-loan-to-li-cycle/
米国の自動車関連調査及び販売専門サイトCarGurusの最新の予測では、米国のEVシェアは現在の8%から2030年には23%にとどまる見込みです。これは米国政府が目標としている2030年迄に50%という数字の半分程度です。現在、米国のEV販売はカリフォルニア、フロリダ、テキサス、ワシントン州で多く、州法や補助金により大きな偏りがあります。英国政府もつい最近、EVシェアの予測を下方修正し、2027年のEV市場シェア予測を67%から38%に大幅に減らしています。EV販売は世界的に見ると数字上は伸びています。しかし欧米では地域による偏りが大きく、世界販売の大幅な伸びを牽引しているのは、中国国内で中国製EVの販売台数が圧倒的に伸びている為です。欧州では11月にはEV販売が3%の減少となりました。このような中、VWは早期退職による人員削減を含む100億ドル規模のコスト削減案を組合幹部に伝えています。また傘下のアウディーでは、EV展開を緩める事が報道されています。
▶ https://finance.yahoo.com/news/audi-hits-brakes-ev-rollout-160907199.html
欧州の風力発電で中国への対抗措置が取られました。ハンガリーを除く全EU諸国は事実上、中国メーカーを欧州の風力発電産業から排除する共同宣言に署名しました。風力発電プロジェクトの入札では安価な中国製風力タービンを利用する開発者が有利になる傾向が増えています。今回の宣言では直接中国の排除を謳っていませんが、入札条件を欧州企業に有利にする事で影響力の強い中国メーカーを排除する狙いがあります。共同宣言では、製品は適切に設計され、客観的で、透明性があり、差別的でなく、事前資格または落札基準が明確で、持続可能性と回復力、サイバーセキュリティ、更にビジネスの遂行と実行能力が求められます。風力タービンプロジェクトはウェブに接続されてセンサーやカメラが数百個以上も装備されており、周囲の空気の動きや風速を測定しています。この事から特にサイバーセキュリティの要件が中国メーカーのEU入札獲得を困難にする可能性が指摘されています。この動きはファーウェイが欧州のネットワーク入札から排除された事と同じ理由となります。今後、同様の理由から中国製のエネルギーインフラも排除される可能性が出ています。
▶ https://energy.ec.europa.eu/news/new-wind-charter-and-national-wind-pledges-underline-ambition-wind-power-europe-2023-12-19_en
米国で、消費者が電子機器を修理、又は長く使う為の情報提供を義務づける動きが出ています。この呼び掛けは28州の58人の州議会議員が署名した書簡で行われました。書簡ではIT製品の「修理スコア」の開発を推進する事を具体案として挙げています。書簡は連邦取引委員会に対して発行され、メーカーや小売業者は、製品が修理又は長く使える為にどのような設計をしているかをスコアリングし、消費者に提供できるようにする様に求めています。例として述べられているのは、消費者が製品を購入する前にその製品がどの程度修理可能であるかを1~10の点数で示す事です。一部の州では既に製品に修理スコアを含める法案を提出しています。この書簡は連邦取引委員会に対してスコアリングシステムを全国標準にするよう求めています。
▶ https://pirg.org/resources/letter-from-28-legislators-to-the-ftc/
債務デフレの懸念が高まっている中国ですが、小売りの低価格志向が強まっており、デフレスパイラルへの懸念が始まっています。消費者が価格に敏感になっており、小売業者が低価格路線に転換しています。この傾向は日本の「失われた数十年」のデフレスパイラルによる経済停滞と比較されるようになっています。ハンセン銀行のエコノミストはこの傾向を認め、今後どの程度続くか予測出来ないとの見解を示しています。全ての産業で過去の価格高騰(インフレ)が逆転しつつあります。
▶ https://www.wionews.com/business-economy/chinese-retailers-shift-to-lower-prices-raises-concerns-of-deepening-deflation-671637
欧米では企業のCEOの資質に逆転の変化が起きています。過去、欧米では、民間企業の成功者が政府の役職や名誉職に就く事はありましたが、政治に関与してきた人物が企業経営のトップ(CEO)となる事は希でした。しかし最近では政府の決定が企業の運命を左右する可能性が高まっています。戦争はサプライチェーンを混乱させ、米国の中国への対応は、金融制裁や貿易制限に発展し、企業は一瞬で大口顧客や市場を失うリスクに晒される事になりました。KPMGの調査によれば、調査対象のCEOの最も多い回答は「地政学と政治的不確実性が成長に対する最大のリスク」となっています。政治から企業経営へ役務を変える事は容易でなく成功事例も稀です。しかし国際情勢がより複雑化し政府の力が強まるにつれ、政治を詳しく理解するリーダーの価値は高まっています。Reutersは今後世界の大企業は2024年に更に多くの人材を(政治の世界から)雇用するだろう、と予測しています。
▶ https://www.reuters.com/breakingviews/big-companies-will-raid-government-future-ceos-2023-12-20/
Britishvoltに続き、英国でギガ工場を計画したLIBメーカーが倒産しました。スコットランドのAMTE Powerは秋以降資金繰りに行き詰まり、政府援助も成功せず、倒産となりました。これは38億ポンドの大型LIB工場を計画したBritishvoltに似た状況となりました。欧州の独立系LIBメーカーは殆どが計画通りに進まず、プロジェクトの延期を繰り返している状況です。
▶ https://www.telegraph.co.uk/business/2023/12/19/scottish-battery-factory-bust-britain-net-zero-industry/
欧州の金属スクラップ輸出規制を巡る利害関係者の争いは2024年も続く見通しです。EUの廃棄物輸送規則(WSR)はリサイクル業者によるロビー活動の結果、スクラップ輸出を完全に禁止せず制限付きでOECD諸国への輸出は許可される事になりました。しかしEUではリサイクルされた金属スクラップは「廃棄物」として分類される事になりました。金属生産者とスクラップ業界とのロビー活動のバトルは今も続いており、欧州政府は2024年初めに輸出規則に幾つかの変更を加えることを検討しています。欧州の生産者はスクラップ供給に懸念を持っており、今後もスクラップへの要望は続く見込みです。
▶ https://eurometal.net/europes-wrangle-over-domestic-metal-scrap-exports-seen-continuing-in-2024/
中国は国家安全保障を理由にレアアースの加工技術の輸出を禁止しました。米国、日本、フランス等もレアアースの分離技術を持っていますが、効率性とコスト面で中国技術に優位性があります。ただし実際には中国の技術は2007年以来輸出されていないようです。中国は8月からガリウムとゲルマニウム、12月から数種類のグラファイト(黒鉛)についても同様の輸出制限を導入しています。
▶ https://www.channelnewsasia.com/business/china-bans-export-rare-earth-processing-tech-over-national-security-4004411
米国は2024年初めに関税の見直しを行い、中国製EVと太陽光発電製品を対象とした課税方針を変更する見込みです。先月、米議会の超党派の議員グループはバイデン政権に対して中国車への関税を引き上げ、中国企業がメキシコから米国に輸出する自動車やその他の製品を阻止する方法を検討する様に要請しました。これを受けての対応となるようです。
米国は中国の自動車メーカーがメキシコで安価なEVを製造し、FTAを締結する米国へ輸出する「裏口」を阻止する為、最近EV電池や部品のサプライチェーンから中国企業を排除する規制を発表しています。中国大手3社であるMG、BYD、奇瑞汽車は何れもメキシコ工場設立についてメキシコ政府当局と協議しています。中国では国内需要の鈍化と過剰生産能力が原因で輸出が急増しています。2024年の自動車輸出台数は25%増の530万台に達すると見られています。EV業界だけでなく、中国では内需減退でも設備投資が続いており、実質「負債」なものが「資産」へ計上される「バランスシート型不況」が懸念されています。過剰生産の解決策として安価な製品の輸出が急増しています。バイデン政権は中国のクリーンエネルギー関連製品に対する関税の引き上げも検討していますが、戦略的に重要でない一般消費材(製品)に対する関税は引き下げる事も検討しているようです。
▶ https://www.wsj.com/economy/trade/biden-administration-explores-raising-tariffs-on-chinese-evs-e439d87d
12月18日にEUはロシア制裁の第12弾を公開しました。欧州はガスを含め多くのロシア製品の輸入を規制していますが、ロシア製の「鉄スラブ」の輸入は完全禁止にはしていません。今回の制裁パッケージではロシア産スラブ(HS 7207 12 10)の輸入割当枠が2028年まで延長されています。2024年9月から2028年9月迄に1,090万トンの鉄鋼半完成品が規制無しでEU市場に輸入される事になります。今回の措置でロシア産スラブのEUへの輸入は、輸入枠内であれば完全に合法化される事になります。鉄鋼生産者協会やその他の業界も完全禁止を要望していましたが、結局、一部のEUリローラーとウクライナの企業がEU域内に持つリロール工場への出荷が減るという事が理由で輸入割当枠が延長されました。この決定に欧州鉄鋼生産者協会(Eurofer)は、かなり憤慨した声明を発しています。戦争でウクライナに武器弾薬と資金を援助しながら、ロシア製品を買い、ロシアに代金を払うという矛盾は、現代の国際貿易の複雑さを示す例と言えます。ロシア製ビレットは2024年4月からEU輸入が全面禁止になりますので、行き場によってはアジア市場の鉄鋼価格形成に影響が出る可能性があります。
▶ https://www.eurofer.eu/press-releases/further-exemptions-to-eu-sanctions-against-russia-are-historic-mistake
▶ https://www.transportenvironment.org/discover/frances-eco-bonus-shows-how-we-can-promote-cleaner-made-in-europe-evs/
中国の大手ZCゴム社のリサイクル子会社”中力ゴムリサイクルテクノロジー社”は、中国石油化学工業連合会(CPCIF)が主催する技術賞で最優秀賞を受賞しています。親会社のZCゴム社は、長年リサイクル技術の開発に取り組んでおり、今回複数の機関との共同研究で新たなタイヤリサイクル技術を開発しています。同賞を受賞したのは中国のタイヤ業界では初となります。現在、中国は世界最大量の廃タイヤを排出する国です。従来型のリサイクルでは汚染や高エネルギー消費、更に安全性の問題から商業利用に課題がありました。また再生材の新品タイヤへの利用は市場が殆ど存在せず、リサイクル率向上の妨げになっています。これまでZCゴム社は40万トンの廃タイヤ(タイヤ170万本に相当)をリサイクルしています。
▶ https://www.zc-rubber.com/index.php
▶ https://www.tiretechnologyinternational.com/news/sustainability/zc-rubber-tire-recycling-project-recognized-by-cpcif.html
ドイツの大手ステンレス・リサイクル企業であるCRONIMET Holding GmbHは中国の新興LIB材料企業CNGR Advanced Materials Co., Ltdと提携し、自社のLIBリサイクル子会社revomet Bitterfeld GmbHでの商業生産に乗り出す事を発表しています。新工場の処理能力は年間28,000トン、稼働は2024年Q2となっています。CNGRは銅仁、寧郷、欽州、開陽の4ヶ所に拠点があり、インドネシアにも原料生産拠点が有ります。現在、韓国、フィンランド、モロッコにも工場を設立予定です。この企業協定は中国のカソード活物質メーカーと欧州のスクラップ企業との間で行われる事から注目されています。
▶ https://www.cronimet.de/en/newsroom/press/current-press-releases/
OEDCが世界の脱炭素(ネットゼロ)へのコストを試算し話題になっています。OECDは石炭を段階的に廃止し、石油とガスを大幅に削減するコストは今後数年間で世界の総生産(GDP)の伸びを0.2%削減すると試算しています。更にこの影響は2050年が近づくにつれ、0.2%から0.6%にまで増加する見込みです。2050年にネットゼロを達成する場合とそうでない場合の差はGDPで3.7%と試算しています。これはOECD加盟国38ヶ国の生産損失で、3兆6000億ドルに相当します。しかし、これらの損失や多額の費用が掛かっても行動を起こさなければ、地球温暖化により壊滅的な結果を招く可能性があると警告しています。こうしたコスト増は社会全体に影響すると見込まれています。
▶ https://biz.crast.net/oecd-warns-that-net-zero-would-cost-the-global-economy-trillions-of-pounds/
18日に英国政府は、2027年までにEUと類似した新たな国境炭素調整メカニズム(国境炭素税)を導入する事を発表しています。鉄、鋼、アルミニウム、セラミック、セメントの海外からの輸入時に英国で製品が生産される時に支払う英国炭素排出権取引市場の炭素価格と同等の課金を行う計画です。この制度により「炭素リーケージ」(炭素規制の低い地域への生産移管)のリスクを軽減します。英国の最大の貿易相手国はEUの為、EUと同等の炭素国境調整メカニズムが必要という背景があります。この制度によりEUと英国は炭素排出権取引市場と連動した国境炭素税を導入し保護貿易を確立する事になります。地政学と炭素の両方によるブロック化は国際交易に大きな変革をもたらす事は間違い無いと思われます。
▶ https://bit.ly/48qFUWp
LIBリサイクル新興企業として上場まで急速に拡大し資金を集めた米国のLi-Cycle社はニューヨークの集団訴訟法律事務所Gross Law FirmとBragar Eagel & Squire, P.C.から訴訟を起こされ、両法律事務所は株主に対する呼びかけをしています。訴訟はLi-Cycleが虚偽、又は誤解を招く発表をし、事業及び会社に不利益な事実を開示しなかった為です。同社の株価は半年で9分の1程度に急落しています。リサイクルの経験が全くない新興企業が多く参加してきたLIBリサイクルの世界では特別目的会社を介した上場による資金集めが行われ、その後実態が追い付かず、赤字続きの所が散見されます。同社はその典型的な例となっています。
▶ https://bit.ly/3TqSfp5
▶ https://bit.ly/3v6TDmP
欧州気候・インフラ・環境執行機関は、タイヤリサイクルプロジェクトについて報告しています。独自のタイヤ熱分解リサイクル技術を持ち、廃タイヤからカーボン ブラック、熱分解油、ガス、スチールを回収するスウェーデンのScandinavian Enviro Systems ABと大手プライベートエクイティ企業であるAntin Infrastructure Partnersは今年3月に欧州政府が主催するイノベーションプロジェクトNextGenを通じて、大型のタイヤリサイクル施設を設立する事を発表しました。リサイクル材は新たなタイヤの原料として使用出来るよう、研究が進められます。このプロジェクトには大手タイヤメーカーの仏ミシュランが支援をしています。年間の廃タイヤの処理能力は34,500トンで、これはスウェーデンで発生する年間廃タイヤ量の40%と同じ量になります。2025年の商業稼働に向け、プロジェクトが進められています。
▶ https://cinea.ec.europa.eu/news-events/news/green-assist-boosting-circular-sustainability-tyre-recycling-2023-12-12_en
EU重要な原材料法(CRMA)は来年Q1に発効される見込みです。重要原材料は34種、その内、新たに17の「戦略的原材料」が指定されました。土壇場で加わった人工黒鉛が含まれる「戦略的原材料」は2030年迄に年間必要量の少なくとも10%を採掘し、必要量の25%をリサイクルし、必要量の40%を域内で処理する事が法律の要件として課されます。またEUの年間需要の65%を超えて単一の第三国から供給される事は許されません。CRMAはグリーン技術の開発と生産をEU域内で行う為のEUネット・ゼロ産業法(NZIA)と同時に提案されており、技術、投資、資金援助、そして原材料の確保が一体となって運営される予定です。重要な原材料リストは4年毎に更新される計画です。
▶ https://single-market-economy.ec.europa.eu/sectors/raw-materials/areas-specific-interest/critical-raw-materials/critical-raw-materials-act_en
インドの建築用鉄鋼ブームが目前に迫っています。インドのタタ・スチールの副社長は今後数ヵ月後からインドで建設需要のブームが起き、鉄筋を主とする棒鋼の需要が急拡大するとの見解を述べています。インドは11月に過去前例の無い120万トンの鉄鋼製品を輸入しました。3ヶ月連続で輸入が輸出を上回っています。昨年から今年に掛けて、既に鉄鋼総生産量は1億2,300万トンに達しています。これは政府によるインフラ政策と投資家の楽観的な見通しにより建築部門に資金が流入している事が要因です。地政学の影響もあり、中国からインドに投資が流れる中、今後も鉄鋼需要は堅調と見られています。
▶ https://www.manufacturingtodayindia.com/sectors/tata-steel-vp-predicts-market-boom
EUの排ガス規制ユーロ7の改訂案は欧州議会と欧州理事会の暫定合意に達しています。暫定合意では結局、乗用車とバンの排出ガス規制と試験条件は現在のユーロ6から変更されず、野心的だった当初案は大幅に緩和されました。今回の改訂は主にブレーキとタイヤによる汚染物質の発生の規制になりました。欧州委員会は当初窒素酸化物や微粒子等、エンジンからの汚染物質の規制を厳格化する予定でした。しかし自動車業界や保守系の政治家からの懸念が続いていました。乗用車とバンでは排気ガス規制の変化はありませんが、トラックとバスでは窒素酸化物の排出量について、それぞれ実験室環境(NOx:200mg/kWh)と実際の走行条件(NOx:260mg/kWh)の両方で規制が強化されます。
▶ https://bit.ly/3RP5W03
集団訴訟を起こされたカナダ/米国のLIBリサイクル新興企業Li-Cycle社ですが、同社の件は政治問題にまで発展しています。元々の騒動の発端はLi-Cycleの「ハブ&スポーク戦略」の鍵となる米国ロチェスターのハブ工場(湿式製錬工場)の建設を10月に停止した事です。今年1月に米国エネルギー省(DOE)はLi-Cycleのロチェスター工場建設の為に3億7500万㌦の融資を一旦承認しました。当時の建設費用の見込みは4億8,500万㌦(680億円)でした。その後、同社は現在建設を再開した場合、8億5,000万ドルから10億ドルの費用が掛かるとの見積を公表しました。Li-Cycleの事業は赤字続きでQ3には損失が1億3050万ドル(160億円)に拡大しています。
今回政治的な問題となっているのは、米国連邦議会の商業委員会やエネルギー委員会がLi-Cycleの様な企業への巨額政府融資に問題が無かったのか精査を開始した事です。米国の現政権はグリーン化を推進する政策を強力に行っている為、保守系の議員からクリーンテックへの政府融資が行き過ぎているという批判は以前より続いていました。今年、ESG投資が世界的に低迷している中で政府融資や補助金が事業推進の鍵となっているグリーン企業は多く、この問題は色々な波及効果を生みそうです。
▶ https://nydailyrecord.com/2023/12/18/republican-lawmakers-want-details-of-conditional-loan-to-li-cycle/
米国の自動車関連調査及び販売専門サイトCarGurusの最新の予測では、米国のEVシェアは現在の8%から2030年には23%にとどまる見込みです。これは米国政府が目標としている2030年迄に50%という数字の半分程度です。現在、米国のEV販売はカリフォルニア、フロリダ、テキサス、ワシントン州で多く、州法や補助金により大きな偏りがあります。英国政府もつい最近、EVシェアの予測を下方修正し、2027年のEV市場シェア予測を67%から38%に大幅に減らしています。EV販売は世界的に見ると数字上は伸びています。しかし欧米では地域による偏りが大きく、世界販売の大幅な伸びを牽引しているのは、中国国内で中国製EVの販売台数が圧倒的に伸びている為です。欧州では11月にはEV販売が3%の減少となりました。このような中、VWは早期退職による人員削減を含む100億ドル規模のコスト削減案を組合幹部に伝えています。また傘下のアウディーでは、EV展開を緩める事が報道されています。
▶ https://finance.yahoo.com/news/audi-hits-brakes-ev-rollout-160907199.html
欧州の風力発電で中国への対抗措置が取られました。ハンガリーを除く全EU諸国は事実上、中国メーカーを欧州の風力発電産業から排除する共同宣言に署名しました。風力発電プロジェクトの入札では安価な中国製風力タービンを利用する開発者が有利になる傾向が増えています。今回の宣言では直接中国の排除を謳っていませんが、入札条件を欧州企業に有利にする事で影響力の強い中国メーカーを排除する狙いがあります。共同宣言では、製品は適切に設計され、客観的で、透明性があり、差別的でなく、事前資格または落札基準が明確で、持続可能性と回復力、サイバーセキュリティ、更にビジネスの遂行と実行能力が求められます。風力タービンプロジェクトはウェブに接続されてセンサーやカメラが数百個以上も装備されており、周囲の空気の動きや風速を測定しています。この事から特にサイバーセキュリティの要件が中国メーカーのEU入札獲得を困難にする可能性が指摘されています。この動きはファーウェイが欧州のネットワーク入札から排除された事と同じ理由となります。今後、同様の理由から中国製のエネルギーインフラも排除される可能性が出ています。
▶ https://energy.ec.europa.eu/news/new-wind-charter-and-national-wind-pledges-underline-ambition-wind-power-europe-2023-12-19_en
米国で、消費者が電子機器を修理、又は長く使う為の情報提供を義務づける動きが出ています。この呼び掛けは28州の58人の州議会議員が署名した書簡で行われました。書簡ではIT製品の「修理スコア」の開発を推進する事を具体案として挙げています。書簡は連邦取引委員会に対して発行され、メーカーや小売業者は、製品が修理又は長く使える為にどのような設計をしているかをスコアリングし、消費者に提供できるようにする様に求めています。例として述べられているのは、消費者が製品を購入する前にその製品がどの程度修理可能であるかを1~10の点数で示す事です。一部の州では既に製品に修理スコアを含める法案を提出しています。この書簡は連邦取引委員会に対してスコアリングシステムを全国標準にするよう求めています。
▶ https://pirg.org/resources/letter-from-28-legislators-to-the-ftc/
債務デフレの懸念が高まっている中国ですが、小売りの低価格志向が強まっており、デフレスパイラルへの懸念が始まっています。消費者が価格に敏感になっており、小売業者が低価格路線に転換しています。この傾向は日本の「失われた数十年」のデフレスパイラルによる経済停滞と比較されるようになっています。ハンセン銀行のエコノミストはこの傾向を認め、今後どの程度続くか予測出来ないとの見解を示しています。全ての産業で過去の価格高騰(インフレ)が逆転しつつあります。
▶ https://www.wionews.com/business-economy/chinese-retailers-shift-to-lower-prices-raises-concerns-of-deepening-deflation-671637
欧米では企業のCEOの資質に逆転の変化が起きています。過去、欧米では、民間企業の成功者が政府の役職や名誉職に就く事はありましたが、政治に関与してきた人物が企業経営のトップ(CEO)となる事は希でした。しかし最近では政府の決定が企業の運命を左右する可能性が高まっています。戦争はサプライチェーンを混乱させ、米国の中国への対応は、金融制裁や貿易制限に発展し、企業は一瞬で大口顧客や市場を失うリスクに晒される事になりました。KPMGの調査によれば、調査対象のCEOの最も多い回答は「地政学と政治的不確実性が成長に対する最大のリスク」となっています。政治から企業経営へ役務を変える事は容易でなく成功事例も稀です。しかし国際情勢がより複雑化し政府の力が強まるにつれ、政治を詳しく理解するリーダーの価値は高まっています。Reutersは今後世界の大企業は2024年に更に多くの人材を(政治の世界から)雇用するだろう、と予測しています。
▶ https://www.reuters.com/breakingviews/big-companies-will-raid-government-future-ceos-2023-12-20/
Britishvoltに続き、英国でギガ工場を計画したLIBメーカーが倒産しました。スコットランドのAMTE Powerは秋以降資金繰りに行き詰まり、政府援助も成功せず、倒産となりました。これは38億ポンドの大型LIB工場を計画したBritishvoltに似た状況となりました。欧州の独立系LIBメーカーは殆どが計画通りに進まず、プロジェクトの延期を繰り返している状況です。
▶ https://www.telegraph.co.uk/business/2023/12/19/scottish-battery-factory-bust-britain-net-zero-industry/
欧州の金属スクラップ輸出規制を巡る利害関係者の争いは2024年も続く見通しです。EUの廃棄物輸送規則(WSR)はリサイクル業者によるロビー活動の結果、スクラップ輸出を完全に禁止せず制限付きでOECD諸国への輸出は許可される事になりました。しかしEUではリサイクルされた金属スクラップは「廃棄物」として分類される事になりました。金属生産者とスクラップ業界とのロビー活動のバトルは今も続いており、欧州政府は2024年初めに輸出規則に幾つかの変更を加えることを検討しています。欧州の生産者はスクラップ供給に懸念を持っており、今後もスクラップへの要望は続く見込みです。
▶ https://eurometal.net/europes-wrangle-over-domestic-metal-scrap-exports-seen-continuing-in-2024/
中国は国家安全保障を理由にレアアースの加工技術の輸出を禁止しました。米国、日本、フランス等もレアアースの分離技術を持っていますが、効率性とコスト面で中国技術に優位性があります。ただし実際には中国の技術は2007年以来輸出されていないようです。中国は8月からガリウムとゲルマニウム、12月から数種類のグラファイト(黒鉛)についても同様の輸出制限を導入しています。
▶ https://www.channelnewsasia.com/business/china-bans-export-rare-earth-processing-tech-over-national-security-4004411
米国は2024年初めに関税の見直しを行い、中国製EVと太陽光発電製品を対象とした課税方針を変更する見込みです。先月、米議会の超党派の議員グループはバイデン政権に対して中国車への関税を引き上げ、中国企業がメキシコから米国に輸出する自動車やその他の製品を阻止する方法を検討する様に要請しました。これを受けての対応となるようです。
米国は中国の自動車メーカーがメキシコで安価なEVを製造し、FTAを締結する米国へ輸出する「裏口」を阻止する為、最近EV電池や部品のサプライチェーンから中国企業を排除する規制を発表しています。中国大手3社であるMG、BYD、奇瑞汽車は何れもメキシコ工場設立についてメキシコ政府当局と協議しています。中国では国内需要の鈍化と過剰生産能力が原因で輸出が急増しています。2024年の自動車輸出台数は25%増の530万台に達すると見られています。EV業界だけでなく、中国では内需減退でも設備投資が続いており、実質「負債」なものが「資産」へ計上される「バランスシート型不況」が懸念されています。過剰生産の解決策として安価な製品の輸出が急増しています。バイデン政権は中国のクリーンエネルギー関連製品に対する関税の引き上げも検討していますが、戦略的に重要でない一般消費材(製品)に対する関税は引き下げる事も検討しているようです。
▶ https://www.wsj.com/economy/trade/biden-administration-explores-raising-tariffs-on-chinese-evs-e439d87d
12月18日にEUはロシア制裁の第12弾を公開しました。欧州はガスを含め多くのロシア製品の輸入を規制していますが、ロシア製の「鉄スラブ」の輸入は完全禁止にはしていません。今回の制裁パッケージではロシア産スラブ(HS 7207 12 10)の輸入割当枠が2028年まで延長されています。2024年9月から2028年9月迄に1,090万トンの鉄鋼半完成品が規制無しでEU市場に輸入される事になります。今回の措置でロシア産スラブのEUへの輸入は、輸入枠内であれば完全に合法化される事になります。鉄鋼生産者協会やその他の業界も完全禁止を要望していましたが、結局、一部のEUリローラーとウクライナの企業がEU域内に持つリロール工場への出荷が減るという事が理由で輸入割当枠が延長されました。この決定に欧州鉄鋼生産者協会(Eurofer)は、かなり憤慨した声明を発しています。戦争でウクライナに武器弾薬と資金を援助しながら、ロシア製品を買い、ロシアに代金を払うという矛盾は、現代の国際貿易の複雑さを示す例と言えます。ロシア製ビレットは2024年4月からEU輸入が全面禁止になりますので、行き場によってはアジア市場の鉄鋼価格形成に影響が出る可能性があります。
▶ https://www.eurofer.eu/press-releases/further-exemptions-to-eu-sanctions-against-russia-are-historic-mistake