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NEWSCONの気になるNEWS(2023年月1第2週)
発電用木質ペレットの受給と国際貿易の流れに変化が起こる年になりそうです。今年、日本の需要が伸び、韓国は横這いになります。日本のバイオマス設備容量は2022年6月に5.9GWでしたが、2023年は936MWが新規で稼働する予定です。その為、日本は2023年に 550万~650万トンの木質ペレットを輸入する可能性があります(2022年は460万~500万トン)。アジアからの木質ペレットの供給は 2022年にタイトでしたが、今年はやや緩和する可能性が高いです。しかしベトナム産に限っては持続可能性条件の圧力に晒されており国際貿易の流れに変化をもたらす可能性があります。ベトナムの大手木質ペレットサプライヤーAn Viet Phat (AVP)は偽の証明書で木質ペレットを販売したという疑義があり森林管理協議会(FSC)から追放されています。その為、日本市場向け同社から推定40-50万トン/年の供給が減ると見られています。ベトナムの木質ペレットのFOB価格は昨年急騰しましたが、今年は供給の増加と木材在庫の増加により価格上昇要因は少ないと言えます。中国の木材チップの需要が減少した事に加えて、ヨーロッパの需要も減少しています。問題はベトナム産の減少がもたらす供給への影響であり、価格上昇のリスクになります。日本は世界でも最後にFITによる木質ペレット発電が実施されている国で欧米にて環境破壊と炭素発生への影響から木質ペレットのあと数年で補助金が終わるタイミングで何が起こるのか、注視する必要があります。
▶ https://www.argusmedia.com/en/news/2406850-viewpoint-asian-wood-pellet-demand-to-diverge?backToResults=true
中国によるEV輸出が急増しているニュースです。EV製造で優位に立つ中国は2022年に世界第2位の自動車輸出国になる可能性が高く、輸出先は欧州と北米が拡大する事が伝えられています。昨年7月に中国のBYDはテスラを抜き世界最大のEV生産メーカーになりました。今年BYDは欧州市場向けに3機種のEVを投入予定です。中国は他国と異なり内燃機関車の開発製造に注力しておらず、EV に集中する事で既に登録されたメーカーは450社となります。2022 年上半期、西欧州は中国の乗用車輸出の約34%を占めており、ベルギーが最大の輸入国でした。中国のEVメーカーはEV開発に進出したばかりのVWやBMWなどの主要自動車メーカーと競争できると考えています。中国政府からの多額の補助金により、中国のEVメーカーは急速に台頭し、外国のライバルとの競争力を高めることを目論んでいます。Fitch Solutions の予測では欧州市場の中国自動車メーカーのシェアは2022年の約5%から2025年には 15%に増加する可能性があります。恐らく欧州が保護貿易として切り札とするのは国境炭素税とデューデリジェンス関連法規制です。
▶ https://oilprice.com/Energy/Energy-General/Chinas-EV-Boom-Has-Sent-Its-Car-Exports-Soaring.html
SK Innovation Co.の子会社であるSK On は、2025年までにEV向けの酸鉄リチウム (LFP) 電池を生産予定である事が伝えられています。同社はフォードモーターズとの合弁会社でケンタッキー州とテネシー州に2つのEV電池(NMC)工場を建設しています。中国製のLFPはNMCに比べ20%安く、欧州で生産される中国製LFPもNMCに比べ15%安くなる見込みです。中国製LFPは中国のEV市場の需要により支えられており、世界の LFP 生産で圧倒的に有利な地位を築いています。SK On は先ず中国からLFP電池や部材を調達する計画で、米国での生産は予定していません。
▶ https://www.reuters.com/technology/south-koreas-sk-plans-new-lower-cost-ev-battery-by-2025-2023-01-06/
この情報は世界の殆どのメディアで黙殺されていますが、先の米国中間選挙で民主党に最大の寄付をした著名投資家でリベラル派のジョージ・ソロスが世界のメディアに影響を与える為に2016年から2020年の間に少なくとも1億3100万ドル(150億円以上)を費やしてきた事が報じられています。ソロスは2016年から2020年の間に世界中253個のジャーナリズムと活動家のメディアグループに膨大な資金を注ぎ込み、妊娠中絶、マルクス主義経済学、反アメリカ主義、警察への資金提供停止、環境過激主義、LGBT 狂信に関する「彼の過激な左翼思想」を広める事を推進してきたと報じられています。ジョージ・ソロスは現時点でそれら少なくとも253の組織との繋がりにより世界のメディアに影響を与えることができます。彼は2022年5月24 日に世界経済フォーラム(WEF)のイベントで基調講演を行っています。それ以外にも様々な国際会議で影響力を示してきました。ソロスは自身のオープンソサエティ財団(OSF)を通じて1984年の設立以来「彼の好みに合わせて政治を形成する為」に実に320億ドル以上(約3.6兆円!) を費やしたと米国のMRCビジネスが発表しています。
▶ https://www.foxbangor.com/national-news/left-wing-billionaire-george-soros-funneled-at-least-131-million-to-media-groups-from-2016-2020-study-finds/
▶ https://www.foxnews.com/media/george-soros-influence-global-media-least-253-organizations-study-finds
2023 年1月1日から米国のカリフォルニア州、コロラド州、アイオワ州、メリーランド州、ニューヨーク州、ワシントンDCでは新しいリサイクル法と廃棄物法が施行されています。施行された新しい法律は包装袋の有料化、飲料ボトルのデポジット制度、包装材料の有機物の義務化が含まれています。例えばコロラド州では、紙またはビニール袋に10セントを支払う義務が課されます。これは暫定措置で最終的には2024年に使い捨てのビニール袋を禁止する予定です。カリフォルニア州では昨年から飲料ボトルにデポジット制度が適用され、飲料会社は、今年からデポジットスキームに組込まれるペットボトルに少なくとも15%のリサイクル材料が含まれていない場合、罰金を課されます。リサイクル材の量は2025年には25%、2030年には50%になります。ワシントンDCでは拡大生産者責任(EPR)がバッテリーに適用され、2023年8月1日以降、住民はメーカーが提供する「バッテリーリサイクルプログラム」や「承認された手段」を通じてのみ、バッテリーを処分できるようになります。これは全米で初めてバッテリーにEPRが適用された法律となります。
▶ https://www.wastedive.com/news/2023-waste-recycling-laws-colorado-california-dc/639618/
英国及び世界で太陽光発電に用いられるソーラーパネルの廃棄物が今後10年で大きな社会問題となる可能性があります。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、英国では今後10年間で30,000トンの太陽光廃棄物が発生すると予測されています。世界規模では2030年代には、廃棄ソーラーパネルの量が現在と比較して4000%以上と急増し、IRENAの予測では170万から最大で800万トンに達すると予測しています。現在、世界規模ではリサイクルされている廃棄ソーラーパネルの量は10分の1で、それ以外は埋立処分となっています。その為、ソーラーパネルの設計の変更、リサイクルスキームの拡大、リサイクル技術の確立が喫緊の課題となっています。クリーンエネルギーのはずのソーラーパネルのサーキュラーはまだ発展途上の為、廃棄後は環境負荷の高い製品となっています。
▶ https://resource.co/article/challenges-solar-panel-recycling
ドイツの陸上風力発電開発が事実上「崩壊」の危機にある事が伝えられています。風力発電はロシアのガスに代わるエネルルー源として緑の党を中心にドイツ政府が大胆な目標を掲げ推進しています。しかし、煩雑な計画・許可手続、40%も上昇した装置コストが主な要因で新規プロジェクトの資金確保が事実上不可能になる危機に陥っています。また、風力タービンメーカーやその材料メーカーの経営が悪化し雇用を削減した事も影響し始めています。ドイツ風力エネルギー協会(BWE)の最高政策責任者は「エネルギー危機により風力産業が大きな利益を得たというのは「誤解」であり、政策レベルで再生可能エネルギーに新しいビジョンを与えても、結果としてサプライチェーンを混乱させ、コストを押し上げる事になった」と述べています。12月に行われた陸上風力発電プロジェクトの入札数は予定金額の3分の2を満たす事も出来ませんでした。ドイツが2030年までの目標を達成する為には毎年約1,500基の風力発電施設を追加する必要がありますが、ほぼ不可能と見られています。英国でも欧州でも洋上風力発電を含めた風力発電のプロジェクトは政治的に宣伝される程上手く進行していなことが最近しばしば報道されています。
▶ https://www.washingtonpost.com/world/2023/01/07/germany-wind-energy-greens/
カナダのLIBリサイクル技術開発企業のRecycLiCo Battery Materials Inc(旧名American Manganese Inc)が韓国の電子機器メーカーSonid Inc.とLIBリサイクル技術開発に関する覚書を交わした事を発表しています。RecycLiCoは昨年末に実証プラントで溶媒抽出・湿式地金工程の商業運用試験(500㎏/日)を成功させた事を発表したばかりでした。同社の技術は2022年にオーストラリア、中国、カナダでリチウムイオン電池のリサイクルに関する特許を取得しています。またブラックマス(BM)から高濃度のフッ化物の除去に関する研究の為に、カナダ産業研究支援プログラムから資金提供を受けました。同社の現在の手元資金は2000万ドルと伝えられています。韓国のSonid社はRecycLiCoからの技術ライセンスを通じて韓国でLIBリサイクル工場を設立する目論見です。LIBリサイクルはBMから精錬工法の開発とその商業化に大きくシフトし始めています。
▶ https://recyclico.com/press-releases/
英国のイングランドが14日(土)に禁止する使い捨てプラスチック製品とそれらの使用が禁止される場所を拡大する事を発表しています。詳細は14日に公表予定です。レストランやカフェで使用されるプラスチック製の皿、ボウル、トレイ等は対象予定ですが、スーパーマーケットや販売店舗などでの使用は禁止対象にならない予定です。EU は2021 年に使い捨てプラスチック製品の使用を禁止しています。英国では2020 年に使い捨てのプラスチック製ストロー、マドラー、綿棒を禁止しましたがそれ以外への拡大は遅れていました。環境活動家はこの拡大が大幅なプラスチック廃棄物の削減につながらない、として警告しています。
▶ https://www.euronews.com/green/2023/01/09/a-drop-in-the-ocean-england-bans-some-single-use-plastics-but-does-it-go-far-enough
中国人民銀行が金(Gold)の購入量を増やし続けている事が伝わっています。昨年11月に32トン、12 月にも金準備を 30 トン増やしたと発表しました。現在、中国の金準備は合計 2,010 トンです。アナリストは中国、トルコ、キルギス等の中央銀行は米ドルから準備金を多様化し、2023年まで金を購入し続けると予想しています。中国の金準備高は依然として低い水準にあり、更なる購入の余地があります。一部では、ロシアのウクライナ侵攻で米政府がドルによる制裁を強化した為、米ドルに代わる資産準備として金と暗号通貨を利用する動機が高まっていると考えています。電子基板や落じん灰の事業には追い風になる可能性がありますが、欧米の一部のジャーナリストは将来の中国による台湾進攻への準備の1つとして懸念し始めています。
▶ https://www.kitco.com/news/2023-01-09/Gold-price-climbs-closer-to-1-900-as-China-says-it-bought-30-tonnes-in-December.html
欧米では大きなニュースになっていますが、スイス国立銀行SNBが2022 会計年度で 1,320 億スイス フラン (1,430 億ドル) の損失をした事を公表しています。これは、SNBの 116 年の歴史の中で最大の損失で、スイスの国内総生産予測(7,445 億スイスフラン)の約 18% に相当します。過去の損失記録は、2015 年の 230 億フランでしたので、それを5倍以上も上回るものです。2021 年は260 億フランの利益を上げています。損失のうち、1,310 億フランは外貨ポジションによるものです。戦争やインフレで欧州のボラティリティーが高まる中、投資家が安全な避難先としてスイスフランに群がる事で外貨建てのポジションが影響を受けた為と見られています。今後の影響について様々な憶測が生まれています。
▶ https://www.cnbc.com/2023/01/09/swiss-national-bank-posts-record-143-billion-loss.html
▶ https://www.upi.com/Top_News/World-News/2023/01/09/switzerland-swiss-bank-loss-foreign-currency/2391673276240/
英国でLIBギガファクトリーの設立を発表しているBritishvoltが経営危機から投資グループのDeaLab Group と交渉中と伝えられています。Dealabはインドネシアの銀行家 Reza Hendranto が運営する投資グループです。このニュースが重要なのは、日中韓以外の欧州のLIBギガファクトリーを計画している新興企業の計画の多くが大幅な遅れとなっており、その主な原因が資材を含む原材料の高騰にあるからです。また、製品の価格競争や原材料の入手について新興企業は幾つかの問題を抱えている場合が多く、発表された計画どおりに進んでいない事が度々報道されています。
▶ https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-tyne-64223793
昨年から件数が増加したグリーンウォッシング関連の訴訟ですが、食品多国籍企業のダノンが訴えられた事が伝えられています。ミネラルウォーターのエビアンやボルヴィックブランドを持つダノンは十分にプラスチックとプラスチック廃棄物の削減を行っていないとしてパリの裁判所で訴訟を起こされました。訴訟を起こしたのは環境団体のSurfrider、ClientEarth、Zero Waste Franceです。ダノンはこの訴訟に対して反論しています。同社はプラスチックの削減、再利用、収集、リサイクルを強化し、更に代替材料を開発しており、包括的な活動を実施していると主張しています。特に2018年から2021年の間にプラスチック使用量を12%(60,000トン)削減したと主張しています。ただし、ダノンは過去3年間、インドネシアのプラスチック汚染に関するブランド監査ランキングで首位となっています。
▶ https://www.theguardian.com/environment/2023/jan/10/activists-sue-french-food-firm-danone-plastics-footprint
資源ナショナリズムと保護貿易につながる政治的な動きがエスカレートしそうです。ここ数ヵ月間、EUと米国で政治的な懸案事項の1つとなっているものに米国のインフレ削減法があります。この法律は一定の材料調達を米国もしくは米国と貿易協定のある国から調達した場合にのみ製品への補助金が得られるというもので、EV用のバッテリーが対象の1つになっています。11日に欧州委員会の域内市場委員であるThierry Breton氏が、EUは米国のインフレ削減法など一部の国が自国の利益のために講じた措置に対応する必要がある、と公式な場で発言した事が大きく伝えられています。今後、欧州委員会はクリーンテクノロジーに関する新法を提案し、米国のそれと同様な補助金制度を設定する計画です。これにより欧州では資源ナショナリズムと保護貿易がクリーンテクノロジーを軸に大きく前進しそうです。
▶ https://www.politico.eu/article/eu-industry-commissioner-thierry-breton-clean-tech-act-america-green-subsidies/
プラスチックリサイクルの選別工程で利用するAIシステムに進展がありました。ベルギーのスタートアップ企業 PolyPerceptionとノルウェーの大手リサイクル機器メーカーのTOMRAが協力し、コンピュータービジョンとディープラーニングを利用したポリマー分析ツールを開発した事を発表しています。AI を活用した選別技術は廃棄物業界で重要な役割を果たすようになってきました。特に現在改訂中のEU包装及び包装廃棄物指令ではリサイクル率や製品へのリサイクル材の利用義務があり、食品に接触するものとしないもののプラスチック容器や包装の高度選別が重要視されるようになっています。
▶ https://www.polyperception.com/
大手銀行のINGが2023年の中国経済予測についてのレポートを発表し、内容をHSNWがまとめています。昨年末から中国では企業向けの中長期ローンが急増し、不動産向けの資金融資も増加しています。地方債を含む国債も増加していますが、社債は発行純額で減少しています。その上で「中国の2023年はレバレッジの年になる」と予測しています。ゼロコロナが終了し経済環境が改善され社債発行が増加し、更に未完成の不動産プロジェクトと建設インフラ投資のために地方債の発行が継続される為です。2023年には中国で再びローンの伸びが大きくなる可能性が高いと結論づけています。中国でお金が回り始めると、資源価格にも影響が出そうです。
▶ https://www.hellenicshippingnews.com/2023-to-be-the-year-of-re-leveraging-in-china/
欧州でプラスチック廃棄物のリサイクルが大幅に増加する可能性のある情報です。これまでEUは環境保護を訴求する政治・社会情勢とは実は真逆で、大量のプラスチック廃棄物をEU域外に輸出してきました。その量は2021年に3,300万トンに達し、2004年から1.8倍に増加しています。最大の輸出先であった中国やインドネシア政府が輸入禁止や厳しい輸入検査措置を講じた事から輸出先がトルコやインドに代わり、現在最大の輸出先であるトルコには、年間1,470万トン(2021年)が輸出されています。トルコへの輸出は2004年から3倍に増加しており、ほとんどがトルコ内で不法投棄されるか焼却処分されています。1月11日、トルコ政府の代表団がEU本部を訪問し、現在改正の最終段階に入っているEU廃棄物輸送指令案について話し合い、欧州からトルコへの廃棄物輸送の停止を要求しました。改定されるEU廃棄物輸送指令では、プラスチック廃棄物は基本的に輸出禁止となります。輸入相手国がOECD加盟国で、かつ適正なリサイクル施設を有し環境負荷が無い事を証明できる場合にのみ例外的に輸出が可能となる予定です。過去の事例から、恐らく抜け穴を通じて域外に輸出される実態は多少残ると思われます。
▶ https://www.hurriyetdailynews.com/ankara-eu-commission-meet-to-discuss-waste-180050
ドイツ自動車産業協会(VDA)のヒルデガルト・ミュラー会長がEUの政策を批判しています。批判はVDAの年始記者会見で行われたもので、現在提案されているユーロ 7排気ガス規制は実施予定の2025年7月までに満たす事が難しく、厳しい排出基準を満たすためにエンジン技術に投資する必要があるが、それにより電気自動車への投資か遅れると批判しています。さらに、現在電化で大きな懸念事項となりつつある原材料の入手性では、他地域よりも厳しい規制やデューデリジェンス要求で公平な競争が阻害されるという危機感を示しています。また、米国のインフレ削減法により生産の移転が懸念される問題については、欧州で類似だが別のアプローチを望んでいる事を示唆しています。ドイツの自動車産業界は、欧州政府による環境規制強化に懸念を持っており、最近様々な機会で報道されるようになっています。
▶ https://www.euractiv.com/section/economy-jobs/news/german-car-industry-boss-eu-is-doing-anti-industry-policy/
米国の鉄スクラップ価格の上昇力が弱い事が伝えられています。現在の上昇は発生量の減少によってもたらされているもので、米国での鉄鋼生産が減少している事から鉄鋼需要による価格上昇圧力でない事が要因としています。ただし1月に入ってもスクラップ流通量は戻っておらず、更に2023年の米国の乗用車生産が約90万台あまり減少する可能性がある事から、スクラップ流通量の見通しは明るくありません。昨年末~1月初頭のようにトルコが買いに入ると米屑の価格が上昇する要因となりそうです。
▶ https://www.recyclingtoday.com/news/ferrous-scrap-steel-pricing-january-2023-recycling-inventory-supply/
ナスダックに上場する米国のLIBリサイクル企業Aqua Metals, Incが自社技術AquaRefining™(アクアリファイニング)を用いたテスト工場でLIBをリサイクルしたブラックマスから不純物と微量金属を除去し金属回収に成功した事を発表しています。同技術をLIBリサイクルに適用させたLi AquaRefining工程は現在特許出願中です。工程では化学反応のみならず独自の「電解プロセス」を利用しており、水酸化リチウム、ニッケル、コバルト、および二酸化マンガンを抽出する事が可能です。
▶ https://ir.aquametals.com/press-releases/detail/258/aqua-metals-electroplates-first-critical-battery-metal-from
米国の調査シンクタンクであるキャピタルリサーチセンターが面白い調査報告を掲載しているので概要を記載します。これはここ数日、米国の左系のメディアでも一部報道され始めていますが、日本や欧州では全く触れられていないと思われます。米国で世界最大級の財団の3つが政治(政策と選挙)を動かす為に巨額の資金を様々なルートを通じて供給している実態の一部が明らかになっています。財団は、ビルゲイツ夫妻のビル・アンド・メリンダ・ ゲイツ財団、著名投資家ジョージ・ソロスが所有するオープンソサエティ推進財団、そしてフォード財団です。実態の詳細は下記のリンクで内容がわかりますが、問題の本質は、これらの資金提供がコンサルタント会社である「アラベラ・アドバイザーズ」を通じて行われている事です。アラベラ・アドバイザーズを知らない方も多いと思いますのでWikipediaのリンクを貼っておきます。アラベラは所謂リベラル派「ダークマネー」のハブで政治的なリベラリズムを推進する為の資金活動を行っているコンサルタントの超大手で毎年巨額の利益を上げている団体です。米国で「ダークマネー」というのは選挙資金の内、有権者に資金源が開示されてないものを言います。実はアラベラの創設者のエリック・ケスラーはクリントン政権時代の閣僚スタッフの1人で、元は自然保護有権者連盟(LCV)の幹部でもあり、LCVは気候変動政策を推進する団体でリベラル派への「ダークマネー」の全米最大の供給源である501(c)(4)グループそのものです。つまり世界の億万長者が自身の持つ財団を通じて、ダークマネーのハブを経由し巨額の資金を選挙や政治に注入することで、政策に強い影響力を持たせているという事です。これらには、以前のソロスのようにメディアへのコントロールも含まれています。最近この動きに反逆したTwitterのマスク氏は結構な攻撃を受けています。以前リベラルだった頃のマスク氏はメディアで英雄でしたが、現在は攻撃の的です。ほぼ毎回WEFではソロスやゲイツが出て来てWEFの「アジェンダ」の推進に一役買っていますが、この辺りの実態を深堀したら、将来に向かって社会路線が分かるかも知れません。ちなみに「財団」というのは営利企業でない為に税制面や監査面で優遇されており、欧米の大金持ちの多くは財団を起こします。
▶ https://capitalresearch.org/article/gates-soros-and-ford-foundations-pushing-policy-through-arabellas-dark-money-machine/
▶ https://en.wikipedia.org/wiki/Arabella_Advisors