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世界の環境関連ニュース(2021年3月第2週)

リサイクル工程向けのAI選別ロボットのニュースです。専用メーカーの米「AMP Robotics Corp」が、リサイクルにおける二次選別用のAIロボット選別システムを発表しています。混合廃棄物から一次選別で残った残留物を、さらにAI(画像学習認識技術)とロボット選別によって分ける技術です。混合プラスチックが対象で、PET、HDPE、LDPE、PP、PSを選別します。使用済みの飲料缶(UBC)や段ボール容器(OCC)も選別可能、という事です。
https://www.amprobotics.com/amp-announcements
https://www.amprobotics.com/newsroom/amp-robotics-pilots-automated-secondary-sortation-facility-to-increas-recycling-rates

EU指令や大手飲料メーカーのブランド戦略もありPETボトルのリサイクル材の利用は進んでいますが、リサイクル材市場が確立されていないPEやPPに課題が多く残っている、というものです。rPEやrPPについては、リサイクル材ペレットの使用用途により集荷するモノのグレード(特に食品包装)が特定される必要があり、この問題の根本的な解決には至っていないというものです。技術的な課題にプラスして、集荷方法にも課題が残っています。
https://www.thechemicalengineer.com/features/challenges-for-recycled-polymers-in-europe/

中国資本でアメリカにも拠点を持つ自動車向けリチウムイオン二次電池製造メーカー会社「Microvast社」が、米テネシー州に電池工場を設立する事を発表しています。主に商用車向けバッテリーを製造していますが、6Cで急速充電できる技術を持つ事が同社のセールスポイントです。
http://www.microvast.com/index.php/news/info/117

スナック菓子の国際的な大手企業である「モンデリーズインターナショナル」が、プラスチック削減を発表しています。硬質プラスチック包装でバージンプラスチックを最低25%削減、更に硬質以外も含めたプラスチック包装全体で5%のバージンプラスチック削減を発表しています。また2025年までに使用するプラスチックをリサイクル可能なものに変更していく事も同時にコミットしています。世界的な食品包装におけるバージンプラスチック削減の流れがアメリカでも進み始めています。
https://ir.mondelezinternational.com/news-releases/news-release-details/mondelez-international-commits-reduction-virgin-plastic-use?_ga=2.249354247.1638533706.1615210842-1796847558.1615210842

コンテナ不足や前月1月以降の米国の寒波の影響を受け、欧州のプラスチック原料が不足する事態が起きていると、欧州のプラスチック業界団体であるEuPCが伝えています。現在、食品包装、建設、自動車部品等への営業が懸念されています。この為、リサイクル材への需要が高まっているという情報もあります。
https://www.plasticsconverters.eu/post/raw-material-shortages-in-europe-impact-production-of-plastic-products-in-europe

世界の航空機市場とリサイクルにも影響があるニュースです。 航空機エンジン製造大手の英ロールスロイス社が、2020年の決算を3月11日に発表する計画ですが、英テレグラフ紙がその内容の一部を伝えています。税引前損失が31億ポンドで、現金の流出が42億ポンドあった、という事です。ロールスロイスは、「航空機業界は2025年までパンデミック前のレベルに戻ることはない」と予測しています。
https://uk.finance.yahoo.com/news/rolls-royce-unveil-largest-cash-164332067.html

Recycling Todayが伝えるところによると、世界中で段ボール需要が高まっている事から、故紙・段ボールの国際需要と価格が上がっている模様です。2月のアメリカ寒波の影響、更にロングビーチ港での港湾労働者とトラック運転手の不足によるコンテナ輸送の遅れが原因で、アメリカからアジアに輸出する故紙に影響が出ている、という事です。
https://www.recyclingtoday.com/article/recovered-paper-markets-strong-march-2021/

先週お伝えしたニュースの続報ですが、イギリスで鉄鋼業界5,000人の雇用が危機に瀕しているニュースです。3月8日にソフトバンクグループがビジョンファンドを通じて出資する英金融サービス会社「グリーンシル・キャピタル」が再建型倒産手続き(英国会社法ではAdministration)を申請しました。英リバティースチールを子会社に持つ、英GFGアライアンスの主な資金調達先は、先日お伝えした通りグリーンシル・キャピタルの為、GFGは資金調達に申告な問題を抱えている、と伝えられています。「鉄鋼業の救世主」や「鉄鋼業界の風雲児」等と呼ばれ、リバティースチールのブランドで多数の鉄鋼会社を買収してきたインドのグプタ家は深刻な資金調達難に陥っているという事です。リバティースチールは、世界に先駆けてグリーンスチール戦略を取った鉄鋼会社としても有名です。
https://www.thetimes.co.uk/article/5-000-steel-jobs-at-risk-as-greensill-collapses-5j9znvl7p

マレーシア向けの金属スクラップ及び故紙輸出に影響が出そうなニュースです。3月9日が締め切りで利害関係者のフィードバックを求めていますが、古紙と金属スクラップは、(出荷)検査と承認証明書(COA)の発行対象となる、という事が決まっているようです。管轄は、マレーシアのMinistry of International Trade and Industry (MITI:通商産業省)です。MITIは、現在、マレーシアへの全金属スクラップの輸出貨物を、出荷前検査の対象にすることを要求している、としています。非鉄金属は94.75%の金属含有量を要求するようで、被覆線やケーブルの出荷が将来も危うくなる可能性があります。
https://www.sirim-qas.com.my/guidelines-for-importation-and-inspection-of-metal-scrap-and-waste-paper/
https://www.recyclingtoday.com/article/malaysia-scrap-metal-imports-inspections-sirim-2021/

バイ分解プラスチックのニュースです。この製品は欧州では、かなり前から問題視されてきたコーヒーカプセルのプラスチック包装の問題に、新しい解決策を示しています。Nespressoブランドのコーヒー用の焙煎カプセルを製造しているルクセンブルクの「Capsul’in」が、堆肥化が可能な100%バイオベースのコーヒー焙煎カプセルを発表しています。欧州では使い捨てプラスチックへの規制が広がっており、この問題も民生品として注目を集めていました。
https://www.capsul-in-pro.com/capsulin-zero-impact-press-release/

オーストラリア政府が国のプラスチック計画を発表しています。計画の目標は、主に以下の3点です。
- プラスチック廃棄物の削減とリサイクル率の向上
- プラスチックの代替品の利用
- 環境影響の大きなプラスチックの削減
2022年までに食品と飲料容器から「不必要な使い捨てプラスチック」を段階的に廃止する事を目指しています。発泡ポリスチレンがその対象に含まれています。
https://www.environment.gov.au/protection/waste/publications/national-plastics-plan-summary

堆肥化できる包装材を開発製造するイギリスとマレーシアに本拠がある「Parkside社」が、子供向けサプリメント食品に使用する堆肥化可能な柔軟な包装ラミネート用食品包装を発表しています。原料は、植物繊維等の再生可能なものを利用しています。食品用の品質条件を満たすだけでなく、堅ろう性や食品貯蔵能力が考慮された設計となっています。この動きは、ますます進んでいます。
https://www.parksideflex.com/optibac-composts-its-way-into-2021-after-parkside-collaboration/

マレーシアのパーム油が13年振りの高値になっている、と伝えられています。理由は天候による不作と他の植物油の供給ひっ迫、と伝えられています。2月のパーム油生産量は、2012年以来の低水準になっているようです。
https://www.argusmedia.com/en/news/2194503-malaysia-cpo-prices-at-13year-high-on-supply-tightness?backToResults=true

世界最大の木質ペレット製造会社である、米エンビバ・バイオマスが2020年の決算を発表しています。注目すべき点は、日本(電力)市場向けに、最大100万トン/年をデリバリー(輸送・販売管理)する事で、日本の商社と新規のMOUを締結した、と発表している事です。既に日本向けには、年間350万トンの長期供給計画があるようですが、その他のデリバリーに商社が入るMOUを結んだようです。今後、かなりの数量を長期(約20年)間に亘って日本に出荷する事になります。
https://www.envivabiomass.com/investor-relations/press-release/?pressid=93054ced-9db3-48dc-8256-e4847a624393

オーストラリアで本格的なリチウムイオン電池工場が竣工しています。ニューサウスウェールズ州トマゴで敷地面積は4,500平方メートルとなる予定です。投資は当初およそUS&2000万ドル、その後の製造工場を建設する為に2億ドル以上の追加投資を計画しており、生産規模を5.3GWhに拡大する予定です。新工場移転前には、先ずは別の施設で小規模な生産を開始(2021年7月)、量産規模の生産を2021年10月に予定しています。現在、オーストラリアには、電池用の材料製造及び化学材料を生産しているメーカーはありませんが、リチウムイオン電池に使われる「資源」は輸出しています。
https://renaissanceone.com.au/prime-minister-visits-site/

欧州議会議員が欧州委員会に対して、人権、環境、ガバナンスを網羅する野心的なデューデリジェンス法を制定するよう要求した、とEuractiveが伝えています。2021年は「炭素国境調整メカニズム」と「デューデリジェンス法」の元年です。これらに、既に規制のロードマップが徐々に明確化している「カーボンフットプリント」が加わる事によって、企業のサプライチェーンはこれから10年で大きく変化せざるを得ない状況になっています。
https://www.euractiv.com/section/economy-jobs/news/meps-demand-ambitious-law-on-human-rights-due-diligence/

米バージニア州で、PS(ポリスチレン)の使い捨て食品容器を使用する事を禁止する法案が可決した事が伝えられています。完全施行は、チェーンレストランで2023年7月1日、その他全ての食品ベンダーは、2025年7月1日となっています。リサイクル後に元の品質で同じ用途に戻す事が難しい為ですが、これは可也厳しい取組みです。
https://lis.virginia.gov/cgi-bin/legp604.exe?ses=212&typ=bil&val=hb1902

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