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世界の環境関連ニュース(2021年3月第1週)

ノルウェーの「Agilyx AS」の子会社で米オレゴン州のAgilyx Corpは、米エクソンモービルと提携して今年1月1日に「Cyclyx International LLC」を設立しています。同社は様々なリサイクル工程に合わせたプラスチック廃棄物の収集と前処理のマッチングを行い、リサイクル原料を提供する事を事業の目的にしています。プラスチック廃棄物のソリューションを探している企業とリサイクラー、そして顧客を繋ぐ事が、事業の柱としています。
この事業に由り、プラスチック廃棄物リサイクルを促進する事になります。Cyclyxは、Agilyxの顧客とエクソンモービルにプラスチック廃棄物を供給するだけでなく、他社にも原料(ソリューション)を供給することも目指しています。ソリューションを顧客の要求に応じてマッチングさせるという新しいビジネスモデル、としています。
https://news.cision.com/cyclyx-international/r/agilyx-and-exxonmobil-establish-cyclyx-joint-venture-to-supply-plastics-recycling-industry,c3295494

世界の温室効果ガス削減のニュースです。国連の気候変動責任者はよると、最新の各国の気候変動対策計画では、2030年までに温室効果ガスの削減が殆ど進まない、と複数の欧米メディアが伝えています。現時点の各国の計画を集計すると、2010年比で2030年までに0.5%程度しか温室効果ガスの削減が進まない、としています。
https://www.politico.eu/article/un-climate-chief-patricia-espinosa-emissions-reduction-failure/
https://www.euractiv.com/section/climate-environment/news/climate-pledges-for-2030-put-world-far-off-1-5c-goal-un-warns/

フランスの水及び廃棄物管理の大手であるスエズが、2020年の財務諸表を発表しています。当該期間の最終利益を示すNet income Group shareは、前年同期の3億5200万ユーロの利益から2億2800万ユーロの損失になっています。廃棄物セグメントは、金利税引前利益(EBIT)が2億7,500万ユーロとなり、前年同期の4億1,100万ユーロより33%減少しています。コロナによる影響が大きかったようです。
https://www.suez.com/en/news/press-releases/2020-annual-results

ドイツがEV化に伴う送電網の再構築を行うようです。銅の需要が期待されますので、銅価格に影響がある可能性があります。今年から数年はこの傾向が続きそうです。
https://www.argusmedia.com/en/news/2191508-calls-for-germany-to-bolster-grid-ahead-of-ev-surge?backToResults=true

廃プラスチックのアスファルト利用についてのニュースです。廃プラスチックをアスファルトの一部として再利用するイギリスの「Mac Rebur社」が、北米での事業を開始しています。混合された廃プラスチックを助燃材として使用するとCO2が発生する為、新しい用途開発が必要となっており、注目される技術です。北米での事業にはライセンスの供与が含まれています。
https://www.macrebur.com/media

インドで2番目に大きい(鉛)蓄電池会社の「Amara Raja Batteries」が、リチウムイオン電池を開発するインド初の技術ハブを開設しています。現在インドで販売されている電気自動車(EV)のほとんどは、中国からバッテリーセルを輸入していますが、自国での生産に向けた第一歩です。2019年1月にAmara Rajaはインド宇宙研究機関(ISRO)と技術移転契約を締結しています。この技術移転は、リチウムイオン電池製造とスタッフの訓練を支援する事に寄与するだろう、と伝えています。量産時の原材料の調達についても豪州や南米の供給先と協議を開始しているようです。
https://www.amararaja.com/Home

トヨタがフランス工場で製造しているYarisが2021年の欧州カーオブザイヤーを獲得しています。充電インフラが無くとも驚異的な燃費性能を誇り、快適さ、安全性、 経済性、 取り扱いやすさ、 パフォーマンス、 機能、 環境要件、 ドライバーの満足度、そして価格メリットを総合的に判断しての結果です。これは、メディアが大々的に宣伝してきたVWの完全EV量産車であるID.3(4位)を抑えての勝利となります。
https://www.caroftheyear.org/

エネルギー削減、脱炭素、サーキュラーエコノミーの技術を推進するアメリカニューヨーク州の研究機関である「Reducing Embodied-Energy And Decreasing Emissions Institute(REMADE)」が、24のプロジェクトを選定して計4300万ドルの資金を提供する事を発表しています。同機関には産学官合わせ多数のパートナーが参画しています。プロジェクトは主に、金属、プラスチック、繊維、電子スクラップの回収、再利用、リサイクルを促進することを目的としています。
https://remadeinstitute.org/news-and-articles/rfp20-01-award

欧州の規制当局と欧州自動車工業会(ACEA)の間で、2025年から開始される予定の排ガス規制ユーロ7について議論が深まっているようです。EU当局の最初の提案が「CO2の排出量を60%~90%削減する」というものでしたが、業界からは、これは現実的では無いとの見解が出されています。ユーロ7の規制が内燃機関では技術的に達成不可能なレベルとなり、内燃機関の実質的な禁止に繋がることへの懸念は、業界には強く残っているようです。2021年末の期限を前に、対立と議論が活発化しそうです。

紙と紙製包装品の世界的な大手企業である「Mondi」が、スーパーマーケット大手のテスコヨーロッパと提携して、廃棄段ボールを使用した再生紙の買い物袋を製造する新しいパートナーシップを開始しています。「Eco Vantage」という紙製品を利用して、強度、印刷適性、適切な外観、を備えています。テスコは2020年11月にハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアでパイロット用のEco Vantage紙のショッピングバッグを展開しています。

ソフトバンクグループがビジョンファンドを通じて出資する英金融サービス会社「グリーンシル・キャピタル」が3月2日、米プライベートエクイティ会社のアポロ社に、事業と運用資産の大部分を売却する為に交渉を進めている模様です。グリーンシル・キャピタルの経営と資金調達に問題がある事が原因のようです。インドのグプタ家が経営する「鉄鋼業の救世主」と言われている英リバティースチールを子会社に持つ、英GFGアライアンスの主な資金調達先が、上記のグリーンシル・キャピタルです。GFGは資金調達に問題無いとの見解のようですが、欧州でも複数の報道がリバティースチールの経営に懸念を示しています。ソフトバンクグループのビジョン・ファンドは、グリーンシル・キャピタルに投資した15億ドル(約1600億円)の評価額を大幅に引き下げている、と伝えられています。
https://www.bbc.co.uk/news/business-56250732
https://www.argusmedia.com/en/news/2192326-suppliers-request-cash-upfront-from-liberty-steel?backToResults=true

ドイツの「PreZero International社」の米国カリフォルニア州の子会社「PreZero US Inc」は、サステナブルなポリエチレンフィルムとバッグを製造する「Roplast Industries」を買収する事を発表しています。PreZeroは昨年カリフォルニア州とサウスカロライナ州のプラスチックリサイクル施設に総額1億ドル(106億円)を超える投資を発表しています。アメリカでもプラスチックリサイクルへの投資が進んでいます。
https://prezero.us/wp-content/uploads/2021/03/PreZero-US-Acquires-Roplast-Industries.pdf

ウガンダでパーム油生産倍増計画があります。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-03-03/uganda-targets-doubling-palm-oil-production-with-second-estate

アメリカでの気候変動対策法案のニュースです。米下院にて民主党による気候変動対策法案が提出されています。CLEAN Future Actと呼ばれるもので、温室効果ガス排出量を2005年のレベルから2030年までに50%削減、2050年には100%削減することを盛り込んでいます。法案は2035年までに100%クリーンな発電を達成する連邦クリーン電力基準を確立、2030年までに80%クリーン電力を暫定目標としています。
https://www.spglobal.com/marketintelligence/en/news-insights/latest-news-headlines/house-dems-bill-targets-clean-power-by-2035-with-big-grid-generation-changes-62954531

ハンガリー国が予定していた2030年ではなく、5年前倒しの2025年に国内の石炭火力発電を廃止する事をEuractiveが伝えています。既存の原子力発電容量はそのまま維持し、太陽光発電を6GWにまで増やすことで対応する模様です。
https://www.euractiv.com/section/climate-environment/news/hungary-brings-coal-exit-forward-by-five-years-to-2025/

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