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世界の環境関連ニュース(2021年2月第3週)

国際鉄筋生産者輸出業者協会(Irepas)が2月10日(水)に2021年の世界の長鋼市場見通を出しました。多少の変動はあるが、おおむね楽観的で需要は堅調と見ています。
http://www.irepas.com/
http://www.irepas.com/?cat=3
https://www.metalbulletin.com/Article/3974914/Scrap-and-secondary-Ferrous-scrap/OUTLOOK-A-year-of-rebound-for-steel-markets-Irepas-says.html

ワシントンのアメリカ・エネルギー省(DOE)が、プラスチック・イノベーション・チャレンジを立ち上げています。5つの目標が掲げられており、ロードマップのドラフトと、利害関係者の意見を求めています。アメリカも、欧州並みに、本格的にプラスチック廃棄物削減とリサイクルのロードマップの作成に入っています。
https://www.energy.gov/plastics-innovation-challenge/plastics-innovation-challenge

電池材料にとって少し気になるニュースです。
BrexitでイギリスがEUから離脱し、1月よりイギリスで作った車をEUに輸出し関税をゼロにする場合、車の価値の40%の部品がイギリス、若しくはEUで生産されたものでなければならない、との原産地規則(The Rules of Origin (RoO))が発行されています。この比率が、2023年から2026年は45%、2027年からは55%に上昇します。EV車は中国製(かアメリカ製)の電池がほとんどなので、この基準を満たせません。
その為、コバルトやリチウムのような材料の購入とバッテリー製造をイギリスが本格的に行う必要が出てきます(あるいは、将来、ハンガリー、ポーランド、スウェーデン、ドイツの中韓欧メーカーから購入できるまで待つか)。
https://blogs.lse.ac.uk/europpblog/2021/01/25/brexit-batteries-and-the-fate-of-the-british-car-industry/
https://www.recyclingtoday.com/article/department-of-energy-releases-plastics-recycling-innovation-challenge-draft-roadmap/

米ワシントンを拠点とする米国森林製紙協会(AF&PA)が、パルプ、紙、包装、ティッシュ、木材製品業界の継続的成長と製造業の雇用創出のため、協会が追求する優先事項を発表しています。幾つかの優先事項のうち、サーキュラーエコノミーの推進、森林保護が欧州とコンセプが近い内容になっています。
https://www.afandpa.org/media/news/2021/02/11/safety-sustainability-recycling-top-af-pa-2021-advocacy-priorities

収縮性の高い紙をベースとした包装材を開発しているスウェーデンのFreeFrom Packing社が、85%を紙ベースとした新しい伸縮性のある紙ラミネート材料を発表しています。開発までに6年をかけた商品のようです。
https://freeformpack.com/freeform-packaging-ab-launches-a-one-sided-laminate-based-on-85-paper/

インドの国際コングロマリットであるTataが所有する英国を代表する自動車メーカーのジャガー&ランドローバー(JRL)が、2025年末までに発売する新車を全て電動化する事を発表しています。背景の1つには、排気ガス規制強化に伴う罰金支払の問題があるようです。同社は、2020年は3,500万ポンドの罰金を支払いました。 2026年から規制がより強化され、更にRLの車種は大型高級車に限られている事も内燃機関での達成を困難にしているようです。新たに電動高級車メーカーとしてのブランドに舵を切るようです。
https://www.theguardian.com/business/2021/feb/15/jlr-to-make-jaguar-brand-electric-only-by-2025

豪SIMS Ltdが上半期決算(20年7月~20年12月)を公開しており、Recycling Todayが概要を伝えています。売上は8%減少ですが、EBITDAは480%増加しています。前期アメリカのSIMS Metal Managementが大幅な減益から回復した事が大きいようです。
https://www.simsltd.com/investors/
https://www.recyclingtoday.com/article/sims-metal-recycling-electronics-america-austrialia-europe-earnings/

シンガポールがEV促進の為にガソリン税を20%以上引き上げる事を発表しています。既に昨年度の予算でもEV車促進の政策は反映されていましたが、よりEVを推進する政策となっています。
https://www.argusmedia.com/en/news/2187227-singapore-raises-road-fuel-taxes-adds-support-for-evs?backToResults=true

イギリスのUK Research and Innovationが、環境に配慮したグローバル金融システムを促進する為に、1,000万ポンドを国立グリーンファイナンス研究センターに投資する事を発表しています。金融セクターのグリーン化投資促進の為のツールを開発する事で、石炭火力や森林破壊から、より再生可能エネルギーや持続可能な農業等に投資が向くような仕組みを開発する事にあります。UK Research and Innovationは、研究とイノベーションを行うビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)が後援するイギリスの政府外公共機関です。
又、UK Research and Innovationの一部であるInnovate UKは、プラスチックの科学的なリサイクル技術開発の為、120万ポンドを拠出する、と発表しています。このプロジェクトには、Recycling Technologies社、バーミンガム大学、サリー大学、クランフィールド大学が含まれています。

グリーンファイナンスとプラスチックリサイクルは、今一番ホットな話題です。
https://www.ukri.org/councils/innovate-uk/

米シリアルバーの大手General Millsが、2025年までに、全ての包装をリサイクル可能にする一環として、自社ブランド「Nature Valley」のシリアルバーの包装をリサイクル可能なプラスチック製にする事を発表しています。期限を区切ったリサイクルへのコミットは、様々な欧米ブランドで普通の事になりつつあります。
https://www.generalmills.com/en/News/NewsReleases/Library/2021/February/Nature-Valley-Launches-First-Ever-Store-Drop-Off-Recyclable-Snack-Bar-Wrapper

旧ソ連領のユーラシア経済連合(EAEU)加盟国は、国内市場保護の為、スクラップ輸出を制限する政策を維持する可能性がある、と伝えられています。トラックによる輸出制限が現在も続いているようです。ロシアの輸出税につづき、国内流通を優先する動きが続いています。
https://www.argusmedia.com/en/news/2187788-cis-scrap-exports-remain-under-pressure-of-restrictions?backToResults=true

大手企業がLiBリサイクルに出資する流れが続いています。アメリカを拠点にリチウムイオン二次電池のリサイクル技術を開発するスタートアップ企業LINICO Corporationに対して、アメリカでも有数の鉛バッテリーの上場リサイクラーであるAQUA Metalsが出資する事を発表しています。LINICO Corporation は99.9%の純度のカソードを製造する世界で唯一のリチウムイオン電池リサイクル技術を保有する、とウェブサイトで公言しています。
https://ir.aquametals.com/press-releases/detail/202/aqua-metals-invests-in-linico-a-cleantech-lithium-ion
https://linico.io/

世界最大手コンテナ船会社であるMaersk社は2023年に世界初のカーボンニュートラルライナー船を就航させると発表しています。1船目は、メタノール燃料のフィーダー船という事です。今後の新造船はカーボンニュートラルライナーに変更予定という事です(主にエンジンをエタノール対応にする)。燃料はカーボンフリーで製造されたエタノール、若しくはバイオエタノールとしてます (コンテナ料金に影響が出る可能性が大きい?)。
https://www.maersk.com/news/articles/2021/02/17/maersk-first-carbon-neutral-liner-vessel-by-2023

100%リサイクル可能な食品包装用プラスチックの開発が続いています。イギリスとマレーシアを拠点とする包装材の開発、設計、販売を行うPark Side社が、イギリスの大手食品メーカーであるAdd Food Groupと協力して100%リサイクルと再リサイクルが可能な包装を開発しています。トレイはPET製で、フタは耐熱性のラミネート材という事です。
https://www.parksideflex.com/parkside-strengthens-addo-foods-partnership-with-new-sainsburys-packaging/

イギリスのEnval社は熱分解によって、プラスチックとアルミニウムのラミネートからプラスチックを油化し、アルミニウムをリサイクルする技術を開発しています。今回アメリカのThe Kraft Heinz Coとの共同プロジェクトTouchdownを立ち上げ、将来的に北米での工場を目指すとしています。同社によれば、この技術は現時点にて世界で唯一プラスチック・アルミ・ラミネート材をリサイクルできる技術としています。
https://www.enval.com/enval-kraft-heinz-sonoco-recycling-united-states/

複数のメディアで、イギリスの高級自動車メーカーのベントレーがリサイクルされたレアアースを車載補助モーターに使う予定だと発表しています。3年にわたるバーミンガム大学とのRaRE(E-machinesの希土類リサイクル)という共同研究にて、廃電子機器から磁石を取り出しレアアース(ネオジウム)を抽出した、としています。プロジェクトでは抽出された磁性材料を新しいリサイクル可能な磁石に再利用して、補助モーター内で使用する予定としています。
https://www.bentleymotors.com/en/world-of-bentley/news/2021-news/bentley-sets-out-path-to-sustainable-recyclable-electric-motors.html

ドイツ国内での繊維リサイクルが苦しんでいるようです。天候や季節要因で収集量が減少し、コロナの影響で東欧への販売も減少した事が原因としています。繊維については、拡大生産者責任(EPR)の流れが出来つつあります。2025年からEUでは繊維廃棄物の個別収集が義務化される予定となっています。
https://www.euwid-recycling.com/news/markets/single/Artikel/textiles-recyclers-suffering-due-to-weakbrsales-of-higher-quality-sorted-grades.html

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